ハイパーサーミア治療の現状-ハイパーサーミア学会認定医を迎えて
【はじめに】当院では平成14年2月よりハイパーサーミア学会から認定された放射線腫瘍医に, 放射線治療の為に非常勤として来て頂いている. その際に, ハイパーサーミアも当院には治療としてあるために, 兼務として診て頂くようになった. 今回は専門医(認定医)がくることにより, 診療の現状がどのように改善されたかを検討したので報告する. 【現状】認定医がくる前は, 全て主治医と専門技師の間で治療に関する検討がなされていた. しかし, 主治医の側にハイパーサーミアに関する知識がないため, 患者に対するインフォームド, コンセントすらままならず, いろいろな面で弊害があり問題が生じていた. 【問題点】(...
Saved in:
Published in | 日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 19; no. 1; p. 49 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ハイパーサーミア学会
01.03.2003
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 【はじめに】当院では平成14年2月よりハイパーサーミア学会から認定された放射線腫瘍医に, 放射線治療の為に非常勤として来て頂いている. その際に, ハイパーサーミアも当院には治療としてあるために, 兼務として診て頂くようになった. 今回は専門医(認定医)がくることにより, 診療の現状がどのように改善されたかを検討したので報告する. 【現状】認定医がくる前は, 全て主治医と専門技師の間で治療に関する検討がなされていた. しかし, 主治医の側にハイパーサーミアに関する知識がないため, 患者に対するインフォームド, コンセントすらままならず, いろいろな面で弊害があり問題が生じていた. 【問題点】(1)疾患に対するハイパーサーミア治療の有効性の判断. (2)放射線治療や化学療法との併用に関する検討. (3)他病院からのセカンド, オピニオンとしての対応. (4)治療に伴う, 有効性を判断するための適切な検査の種類と時期の選択. 【改善点】(1)ハイパーサーミア認定医を迎えたことにより, 全ての疾患に対して有効性を判断し, ハイパーサーミア治療を取り入れられるようになった. (2)他の治療との併用に関して適格にアドバイス出来るようになった. (3)いままで出来なかった他病院からのセカンド, オピニオンとしての役割をはたせるようになった. (4)外来診療に立ち会うことにより, 説明などスムーズに進むようになった. 【結語】現在の医療の現場では, ハイパーサーミア認定医が常勤医として治療をしているところは少なく, 患者は治療を受けたくとも, その相談すら出来ないのが現状のようである. 今後, ハイパーサーミア認定医及び認定医が常勤する施設が増え, 患者が求める有効なハイパーサーミア治療が受けられるような, より良い医療体制が構築されていくことが要望される. |
---|---|
ISSN: | 0911-2529 |