マイルド・ハイパーサーミアによる免疫能活性の増強について

【目的】臨床では温熱治療は42.5℃以上の温度で行われているが, 41℃の低温度処理によっても, 免疫能が活性化し, 治療後の予後に有用である可能性を見出したので, その結果を報告する. 【材料及び方法】SCC-VII腫瘍を大腿部皮下に担癌したC3Hマウスに41℃, 30分間のマイルド, ハイパーサーミア処理を単回, 複数回(連日, 間欠)加え, 抗腫瘍効果, 白血球, リンパ球, 好中球, 単球等の血球成分変化とNK細胞の活性を51-Crアッセイによって調べた. 【結果】41℃単回処理では血球変化も抗腫瘍効果も示されなかった. しかし, 複数回温熱処理によって, 抗腫瘍効果, NK細胞, L...

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Published in日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 19; no. 4; p. 221
Main Authors 長谷川武夫, 小野博史, 高橋徹, 大野由紀子, 鈴木友昭, 村林甲介, 前田佳予子, 門前一, 山本五郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 01.12.2003
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Summary:【目的】臨床では温熱治療は42.5℃以上の温度で行われているが, 41℃の低温度処理によっても, 免疫能が活性化し, 治療後の予後に有用である可能性を見出したので, その結果を報告する. 【材料及び方法】SCC-VII腫瘍を大腿部皮下に担癌したC3Hマウスに41℃, 30分間のマイルド, ハイパーサーミア処理を単回, 複数回(連日, 間欠)加え, 抗腫瘍効果, 白血球, リンパ球, 好中球, 単球等の血球成分変化とNK細胞の活性を51-Crアッセイによって調べた. 【結果】41℃単回処理では血球変化も抗腫瘍効果も示されなかった. しかし, 複数回温熱処理によって, 抗腫瘍効果, NK細胞, LAK細胞活性が観測された. また, 複数回温熱処理でも連日加温群では間欠加温処理群よりも強い抗腫瘍効果とNK細胞活性が観測された. 以上の結果は悪性腫瘍の治療後にマイルド, ハイパーサーミアを連日加えると, 免疫能が活性化する事によって, QOL改善や転移抑制が期待できる.
ISSN:0911-2529
1881-9516