赤血球濃厚液のmicroaggregate形成についての検討
目的:保存全血におけるmicroaggregate(微小凝塊)は大量輸血後肺合併症などの原因として注目されているが, 赤血球濃厚液においても同様た微小凝塊形成がおこりうるものと考えられる. われわれは, 赤血球濃厚液の微小凝塊形成の生因とその形成過程を検討するために本実験を行った. 方法:微小凝塊の形成は経時的血球成分の測定SFP(Screen Filtrating Pressure)の測定20μ mesh通過前後の血球成分の変動および相差電顕によるmesh捕捉凝塊を検索することによって行い, また生理食塩水, 同種血漿稀釈による凝集物質解離の影響をSFP測定により検討した. 成績:赤血球濃厚...
Saved in:
Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 59 - 60 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.04.1981
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0546-1448 |
Cover
Summary: | 目的:保存全血におけるmicroaggregate(微小凝塊)は大量輸血後肺合併症などの原因として注目されているが, 赤血球濃厚液においても同様た微小凝塊形成がおこりうるものと考えられる. われわれは, 赤血球濃厚液の微小凝塊形成の生因とその形成過程を検討するために本実験を行った. 方法:微小凝塊の形成は経時的血球成分の測定SFP(Screen Filtrating Pressure)の測定20μ mesh通過前後の血球成分の変動および相差電顕によるmesh捕捉凝塊を検索することによって行い, また生理食塩水, 同種血漿稀釈による凝集物質解離の影響をSFP測定により検討した. 成績:赤血球濃厚液は血小板採取後すなわち3分割のものと, 血漿のみを採取し分離した2分割の製剤が使用されている. 赤血球濃厚液における血球成分の経時的変化をみると赤血球の変動は2分割製剤, 3分割製剤とも有意の変動は認められない. 白血球では保存3週後に有意の減少を示した. 血小板は2分割, 3分割製剤ともに保存2週後には有意の減少を認めた. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |