NSCLCに対する温熱療法を含む集学的治療の効果

(抄録)当院では, 肺癌患者に対して従来の化学療法や放射線療法に温熱療法を加えた集学的治療を施行しています. 2003年末までに, 24例の肺癌患者(非小細胞患者-22例, 小細胞肺癌-2例)に対してこの治療を施行し, その多くが診断時にStageIIIまたはIVの症例でありながら, 2年生存率67%, 3年生存率54%と非常に良好な結果を得ています. また, 患者の多くが仕事に従事しておりQOLの観点からも, 有益な結果を得ています. 温熱療法は奏効率こそ高くはありませんが, 癌の休眠期間の延長や進行の遅延などに効果があると考えられ, 従来の治療法と適切に組み合わせることにより, より良い結...

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Published in日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 20; no. 2; pp. 110 - 111
Main Authors 土岐敦, 橘俊一, 岡田直美, 塚田豊弘, 豊田肇, 間宮敏雄, 三宅修二, 吉澤靖之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 01.06.2004
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ISSN0911-2529

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Summary:(抄録)当院では, 肺癌患者に対して従来の化学療法や放射線療法に温熱療法を加えた集学的治療を施行しています. 2003年末までに, 24例の肺癌患者(非小細胞患者-22例, 小細胞肺癌-2例)に対してこの治療を施行し, その多くが診断時にStageIIIまたはIVの症例でありながら, 2年生存率67%, 3年生存率54%と非常に良好な結果を得ています. また, 患者の多くが仕事に従事しておりQOLの観点からも, 有益な結果を得ています. 温熱療法は奏効率こそ高くはありませんが, 癌の休眠期間の延長や進行の遅延などに効果があると考えられ, 従来の治療法と適切に組み合わせることにより, より良い結果が割られるものと考えます. 当院で施行している集学的治療は, 患者の状態を鑑みながら治療法を選択する形で施行しており, 定型的に行うのは困難ですが, 今後も症例と検討を重ねていくつもりです.
ISSN:0911-2529