間欠的経管栄養法の適応

嚥下障害患者の補助栄養法として当院では間欠的経管栄養法(Intermittent Tube Feeding:ITF)を多く用いており, その実施状況につき報告した. 「方法」1998年1~12月に加療した入院嚥下障害患者140名のうち, ITFを行った43名を対象とし, ITFを行った目的, 実施期間, 栄養摂取に関する帰結などにつき調査, 検討した. 「結果」対象者の平均年齢は69歳で, ITFの支障となりうる痴呆や意識障害が23名にみられた. 主な目的は, 嚥下訓練に際しての補助栄養が29名と最も多く, 次いで嚥下訓練として(6名), 経口摂取不良時の不足分補給(4名)などが挙げられた....

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 12; pp. 964 - 965
Main Authors 大熊るり, 藤島一郎, 武原格, 水口文, 宮野佐年
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1999
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ISSN0034-351X

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Summary:嚥下障害患者の補助栄養法として当院では間欠的経管栄養法(Intermittent Tube Feeding:ITF)を多く用いており, その実施状況につき報告した. 「方法」1998年1~12月に加療した入院嚥下障害患者140名のうち, ITFを行った43名を対象とし, ITFを行った目的, 実施期間, 栄養摂取に関する帰結などにつき調査, 検討した. 「結果」対象者の平均年齢は69歳で, ITFの支障となりうる痴呆や意識障害が23名にみられた. 主な目的は, 嚥下訓練に際しての補助栄養が29名と最も多く, 次いで嚥下訓練として(6名), 経口摂取不良時の不足分補給(4名)などが挙げられた. チューブの挿入拒否・挿入困難のため4名が数日でITF中止となった. 中止例を除いた平均実施期間は36.4日と比較的短く, 25名が退院時に経口摂取可能となりITF不要となっていた. 在宅でITFを継続した症例が11名あった. 長期経管栄養が必要な症例のうち5名に胃瘻造設拒否がみられた. 「考察」経口摂取不良時の不足分補給や短期間の訓練で摂食可能となる場合, 胃瘻造設を拒否される場合などがITFのよい適応と考えられた.
ISSN:0034-351X