頚動脈プラークの病理組織学的所見と超音波所見
頚動脈の粥状硬化性病変(プラーク)の病理組織学的所見と超音波所見の関連について, 当センターおよび他の病院の剖検例と頚動脈内膜切除(carotid endarterectomy:CEA)例の臨床および病理学的所見をもとに述べる. Duplex頚部超音波装置(東芝SSA 260A)による検査がなされた症例については, retrospectiveにその所見と頚動脈の病理学的所見を対比検討した. 頚動脈のプラークは虚血性脳血管障害の原因となる. 本病変は頚動脈分岐部に好発する. 頚動脈の, 内腔狭窄の程度, 表面の形状(潰瘍の有無など), 組成(線維性か, 粥腫・プラーク内出血の有無など)が様々な形...
Saved in:
Published in | Neurosonology Vol. 10; no. 2; pp. 61 - 65 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経超音波学会
31.05.1997
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-074X |
Cover
Summary: | 頚動脈の粥状硬化性病変(プラーク)の病理組織学的所見と超音波所見の関連について, 当センターおよび他の病院の剖検例と頚動脈内膜切除(carotid endarterectomy:CEA)例の臨床および病理学的所見をもとに述べる. Duplex頚部超音波装置(東芝SSA 260A)による検査がなされた症例については, retrospectiveにその所見と頚動脈の病理学的所見を対比検討した. 頚動脈のプラークは虚血性脳血管障害の原因となる. 本病変は頚動脈分岐部に好発する. 頚動脈の, 内腔狭窄の程度, 表面の形状(潰瘍の有無など), 組成(線維性か, 粥腫・プラーク内出血の有無など)が様々な形で脳血管性障害の発症に関与する3,10~13). 頚動脈プラークが脳血管障害の原因となるのは次のような場合である. 頚動脈プラークが脳血管障害の原因となる機序 A. 塞栓源 1)プラークの線維性被膜の破綻 a. 壁在血栓露出した粥腫を血栓が覆うが, その血栓が栓子となって末梢の脳動脈に塞栓を起こす. |
---|---|
ISSN: | 0917-074X |