不整脈の非薬物療法の適応と限界 -カテーテルアブレーションの適応と限界(心房細動を中心に)

本日は心房細動の非薬物治療であるカテーテルアブレーションについて述べます. 先ず心房細動ですが, 最近の疫学研究から, 日本には約70万人の心房細動例がいると考えられます. 「臨床的意義」心房細動は, 不整脈自体はすぐに致命的となることはありませんが, 動悸や胸部不快症状などの自覚症状をもたらします. さらに, 心不全の憎悪因子になりますし, WPW症候群では, 突然死の原因になることがあります. それ以外に最も大きな問題は, 脳梗塞の危険が高くなり, このために心房細動があると予後は不良になります. 心房細動は脳塞栓をもたらし, 長期的にみれば生命予後を悪化させる重要な不整脈であることを再認...

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Published in心臓 Vol. 41; no. 12; pp. 1395 - 1396
Main Author 相澤義房
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団 15.12.2009
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ISSN0586-4488

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Summary:本日は心房細動の非薬物治療であるカテーテルアブレーションについて述べます. 先ず心房細動ですが, 最近の疫学研究から, 日本には約70万人の心房細動例がいると考えられます. 「臨床的意義」心房細動は, 不整脈自体はすぐに致命的となることはありませんが, 動悸や胸部不快症状などの自覚症状をもたらします. さらに, 心不全の憎悪因子になりますし, WPW症候群では, 突然死の原因になることがあります. それ以外に最も大きな問題は, 脳梗塞の危険が高くなり, このために心房細動があると予後は不良になります. 心房細動は脳塞栓をもたらし, 長期的にみれば生命予後を悪化させる重要な不整脈であることを再認識する必要があります. 「心房細動の病型」心房細動は発作性, 持続性および永続性または固定性に分類されます. 心房細動の治療方針はこのような心房細動の病型によって異なります. 発作性心房細動は, 長くとも1週間以内に停止するもので, ほとんどは48時間以内に自然停止します. 発作は突発性に起こり, 心室レートも高くなり, 動悸や胸部不快感などの自覚症状が強くでます.
ISSN:0586-4488