日本製VFチェアーの開発
近年の「嚥下ニード」により, ビデオ嚥下造影{VF)を行いたい施設は急増するも, 通常の透視室で使用できる専用椅子がないため実施を断念している施設は多い. ストレッチャーに乗せるなどの無理な姿勢などのため, 普段の嚥下より悪い結果が出る, 思わぬアクシデントに見舞われるなど, VFを実施ていても難行しているのが現状と思われる. この度, 我々は, Vess chair(米国製)の試用や試作品製作経験をふまえ, 世界では初めて電動式昇降・リクライニング機構と傾斜・回旋角の計測装置を付けた本邦初の製品を開発した. 本製品は寸法(MAX)WxDxH57X87X166cmで, 座面高が50cmから88...
Saved in:
Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 2; no. 1; pp. 93 - 94 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
01.12.1998
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1343-8441 |
Cover
Loading…
Summary: | 近年の「嚥下ニード」により, ビデオ嚥下造影{VF)を行いたい施設は急増するも, 通常の透視室で使用できる専用椅子がないため実施を断念している施設は多い. ストレッチャーに乗せるなどの無理な姿勢などのため, 普段の嚥下より悪い結果が出る, 思わぬアクシデントに見舞われるなど, VFを実施ていても難行しているのが現状と思われる. この度, 我々は, Vess chair(米国製)の試用や試作品製作経験をふまえ, 世界では初めて電動式昇降・リクライニング機構と傾斜・回旋角の計測装置を付けた本邦初の製品を開発した. 本製品は寸法(MAX)WxDxH57X87X166cmで, 座面高が50cmから88cmまで昇降可能. 乗り降りもしやすく, 高さ調整で通常の透視室で実施が可能で, 正面・側面いずれも電動リモコンで容易に操作が可能で, 省力化にも貢献できる. ヘッドレストの併用で, 最適な頸部角度を確保でき, 適度な固さのバケッド状座面・背もたれとベルトで快適な姿勢保持が安全に可能である. 小型テーブル, チャイルドシート, 足台調整, 点滴ポールなど付属品も設置. 小車輪付のためどこにでも運べ, 収納場所を選ばない. 緊急時にも, そのまま救急室へ運べ, 対応が可能である. リハ訓練室に置いておけば, VF目的以外にはシーティング・クリニックにも役立つ. 耐久性にも問題はない(試作第1号機は4年間250回の使用で故障なし). 量産に必要な特許や「医療器具」としての認可, PL法との絡み等. 法制上の問題が壁になる. また, また第10回の日本嚥下障害臨床研究会(1998. 7. 4広島)で第2号機を展示した印象では, 用意できる予算が小額であるなど臨床研究者の間でも理解不足?が伺われた. 需要と供給能力のバランスにもよるが, 量産に向けたい. |
---|---|
ISSN: | 1343-8441 |