ゼラチン粒子凝集法および間接螢光抗体法によるATLA抗体測定法の比較, 検討

目的:近年, 成人T細胞白血病ウイルス関連抗体(ATLA抗体)陽性血液製剤による成人T細胞白血病ウイルス(ATLV)の感染が注目され血液センターにおけるATLA抗体スクリーニングの必要性が高まっている. 今回我々はゼラチン粒子凝集反応(Particle-Agglutination:PA法)および間接蛍光抗体法(IF法)の比較を行ったので報告する. 方法:PA法は8倍希釈した血清25μlにATLV感作ゼラチン粒子を25μl添加し, 常温で3時間静置後判定する. IF法は標的細胞としてATL細胞培養株MT-1を用いて行なった. ATLVの出現については, 全血または赤血球濃厚液より得た単核細胞を短...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 32; no. 3; p. 381
Main Authors 大矢健一, 関戸幸子, 森島泰雄, 長谷川岩三, 福田常男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.06.1986
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ISSN0546-1448

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Summary:目的:近年, 成人T細胞白血病ウイルス関連抗体(ATLA抗体)陽性血液製剤による成人T細胞白血病ウイルス(ATLV)の感染が注目され血液センターにおけるATLA抗体スクリーニングの必要性が高まっている. 今回我々はゼラチン粒子凝集反応(Particle-Agglutination:PA法)および間接蛍光抗体法(IF法)の比較を行ったので報告する. 方法:PA法は8倍希釈した血清25μlにATLV感作ゼラチン粒子を25μl添加し, 常温で3時間静置後判定する. IF法は標的細胞としてATL細胞培養株MT-1を用いて行なった. ATLVの出現については, 全血または赤血球濃厚液より得た単核細胞を短期培養しモノクローナル抗体を用いて検索した. 結果:ATLA抗体のスクリーニングとしては, 感度良く簡単なPA法が有用と考えられたが, ATLV出現と良く相関するIF法を確認テストとして併用する事が望ましいと考えられた.
ISSN:0546-1448