ポリエステル-ポリエステルブロックポリマーの重合挙動

ポリ (1, 4-ブチレンテレフタレート) (以下PBTと略す) にε-カプロラクトン (以下ε-CLと略す) を開環付加重合する挙動について調べ, 以下の知見を得た. PBTとε-CLの付加反応はPBT末端カルポキンル基を開始剤として進み, 反応速度はイオン成長反応速度式に従い, 平衡モノマー濃度よりこの反応は著しく正反応サイドへ進み, 反応温度235℃では反応時間120~150分でほぼ平衡に達する. 付加反応中に生じるエステル交換反応についてDSC法で調べたが, 反応時間90~120分で融点が安定し, 反応開始後短時間でブロック性が決定される. 13C NMRで反応中のハード及びソフトセグ...

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Published in高分子論文集 Vol. 49; no. 7; pp. 561 - 568
Main Authors 加地, 篤, 小林, 琢磨, 竹本, 喜一, 北川, 広信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.07.1992
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.49.561

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Summary:ポリ (1, 4-ブチレンテレフタレート) (以下PBTと略す) にε-カプロラクトン (以下ε-CLと略す) を開環付加重合する挙動について調べ, 以下の知見を得た. PBTとε-CLの付加反応はPBT末端カルポキンル基を開始剤として進み, 反応速度はイオン成長反応速度式に従い, 平衡モノマー濃度よりこの反応は著しく正反応サイドへ進み, 反応温度235℃では反応時間120~150分でほぼ平衡に達する. 付加反応中に生じるエステル交換反応についてDSC法で調べたが, 反応時間90~120分で融点が安定し, 反応開始後短時間でブロック性が決定される. 13C NMRで反応中のハード及びソフトセグメント長の変化を見ると, DSC法の結果と一致しており, PBTとε-CLの仕込比率が7対3, 反応温度235℃の条件下では反応開始後90分でブロック性が決定される. 以上のことよりPBTとε-CLを反応することにより高融点のポリエステル-ポリエステルブロックポリマーが得られことが分かった.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.49.561