テルモAC-550(テルシス)で採血された血小板製剤について
<目的> 白血球除去フィルターを使用した成分採血機テルモAC-550(以下テルシス)により, 濃厚血小板(PC)を採取して・品質について調べた. <方法> 当センターに来所した献血者についてテルシスによりPCとPPPを採取後, 採血キットに付属する白血球除去フィルター(テルモ社製)でPCを処理し, 血小板回収率, 処理前後の白血球数を比較した. フィルター処理PC中の血小板凝集能, 補体活性, サイトカイン活性について他社の採血機により採取されたPCと比較した. また採取後の血小板数の推移, および活性化血小板の推移について調べた. <結果> 採取された血小...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 2; p. 285 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.04.1999
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | <目的> 白血球除去フィルターを使用した成分採血機テルモAC-550(以下テルシス)により, 濃厚血小板(PC)を採取して・品質について調べた. <方法> 当センターに来所した献血者についてテルシスによりPCとPPPを採取後, 採血キットに付属する白血球除去フィルター(テルモ社製)でPCを処理し, 血小板回収率, 処理前後の白血球数を比較した. フィルター処理PC中の血小板凝集能, 補体活性, サイトカイン活性について他社の採血機により採取されたPCと比較した. また採取後の血小板数の推移, および活性化血小板の推移について調べた. <結果> 採取された血小板総数は平均2.6×10^11 , 血小板回収率は89.1%であった除去前の白血球総数の平均は6.4×10^6 /Bag(1.2×10^7 ~1.9×10^6 /Bag), フィルター除去後の残存白血球数の平均は1.7×10^4 /Bag(4.5×10^4 ~0.8×10^4 /Bag)で, 24~72時間保存後PC中のサイトカイン活性(IL-6, IL-8, IL-1β, TNF-α), ブラジキニン活性, 補体(Csa, C3a)量は他社の採血機器で採取したPCとほとんど差がなかった. 血小板凝集能は採取後72時間経過してもADP, トロンボキサン, アラキドン酸凝集能ともにほぼ保たれていた. また72時間保存後の血小板数の低下やCD62p, CD63の変化はほとんどなかった. <結論> テルモAC-550は国産の成分採血機である. フィルター処理後のPC中の残存白血球数は, 混入白血球の少ないCOBE-spectraやAmicusに比較してほぼ同程度であり, 製品中に混入白血球数の少ない成分採血機に分類される. また72時間保存後の血小板数の低下や活性化は観察されず, 血小板凝集能, サイトカインやブラジキニンなど活性は他社で採血したPCと同じレベルであった. |
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ISSN: | 0546-1448 |