脳動脈瘤手術における血行再建術の応用―適応と治療成績について(V5-5)

「はじめに」microsurgeryやendovascular surgeryの技術的進歩により, 近年小型の脳動脈瘤の外科治療成績は向上しているが, 内頸動脈の前壁動脈瘤や, 巨大動脈瘤, 部分血栓化動脈瘤など, いまだ治療困難な脳動脈瘤も多い. 以前より当科ではこのようなcomplex aneurysmの処理に際して, 母血管の閉塞を要する場合は同時に積極的に血行再建を行ってきた. 今回われわれは, 動脈瘤の閉塞に際して血行再建術を併用した連続10例に関し, そのpresentation, 選択した術式, および術後の中期成績について検討したので報告する. 「対象」2004年2月から200...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 36; no. 4; pp. 271 - 276
Main Authors 栗田浩樹, 山口竜一, 池田俊貴, 原田洋一, 塩川芳昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中の外科学会 31.07.2008
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508

Cover

More Information
Summary:「はじめに」microsurgeryやendovascular surgeryの技術的進歩により, 近年小型の脳動脈瘤の外科治療成績は向上しているが, 内頸動脈の前壁動脈瘤や, 巨大動脈瘤, 部分血栓化動脈瘤など, いまだ治療困難な脳動脈瘤も多い. 以前より当科ではこのようなcomplex aneurysmの処理に際して, 母血管の閉塞を要する場合は同時に積極的に血行再建を行ってきた. 今回われわれは, 動脈瘤の閉塞に際して血行再建術を併用した連続10例に関し, そのpresentation, 選択した術式, および術後の中期成績について検討したので報告する. 「対象」2004年2月から2005年9月までの20カ月間で杏林大学脳神経外科にて行われた脳動脈瘤に対する直達術連続85例のうち, 脳動脈瘤の閉鎖に血行再建術を使用, あるいは併用した10例(11.8%)を対象にした. 10例の内訳は男性3例, 女性7例で, 年齢は10歳から68歳(平均43.4歳)であり, 破裂脳動脈瘤が7例(うち1例は細菌性脳動脈瘤), 症候性未破裂脳動脈瘤が3例であった.
ISSN:0914-5508