巨大空洞を伴い内腔観察が可能であった耐性肺結核の1症例
肺結核の空洞内腔を, 気管支鏡により直接観察する事ができた. 内腔は, 白色~灰白色の凹凸不整の白苔で覆われており, 治療により縮退し, 赤色調の粘膜表面が露出した. また光沢を持った粘膜の浮腫は軽快し, 肉柱様の病変も縮退が見られた. 病理所見上白苔部は壊死が強く, 赤色調の粘膜は肉芽腫の組織であり, 内腔の変化は治癒過程を反映していると考えられた. なお本症例は, アスペルギルス沈降抗体陽性であったが, 検索した範囲では, アスペルギルスは培養されず, 生検組織上も菌糸は同定されなかった. 肺結核の治癒過程を, 気管支鏡による内腔観察により確認した報告は少なく, 貴重な症例と考えられたので...
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Published in | 気管支学 Vol. 20; no. 2; p. 181 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.03.1998
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Summary: | 肺結核の空洞内腔を, 気管支鏡により直接観察する事ができた. 内腔は, 白色~灰白色の凹凸不整の白苔で覆われており, 治療により縮退し, 赤色調の粘膜表面が露出した. また光沢を持った粘膜の浮腫は軽快し, 肉柱様の病変も縮退が見られた. 病理所見上白苔部は壊死が強く, 赤色調の粘膜は肉芽腫の組織であり, 内腔の変化は治癒過程を反映していると考えられた. なお本症例は, アスペルギルス沈降抗体陽性であったが, 検索した範囲では, アスペルギルスは培養されず, 生検組織上も菌糸は同定されなかった. 肺結核の治癒過程を, 気管支鏡による内腔観察により確認した報告は少なく, 貴重な症例と考えられたので報告した. |
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ISSN: | 0287-2137 |