PEGチューブ交換における3D-CTの有用性について -特にチューブ交換時の誤挿入によるトラブル回避のために
脳卒中, 神経変性疾患などの嚥下障害により経口摂取困難となった患者の長期経管栄養管理において, 内視鏡的胃瘻造設術(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy, 以下PEG)は, その簡便性, 安全性から急速に普及している. しかしながら, その慢性期合併症の一つであるPEGチューブ入れ替え時の腹腔内への誤挿入は汎発性腹膜炎を引き起こし, 生命にも関わる点で, 絶対に避けなければならない合併症である. 特にバンパータイプのPEGチューブは確実な固定と長期使用に耐える点で長期管理に有用ではあるが, 入れ替え時の誤挿入が問題となり得る. また神経疾患では意思疎通の困難な...
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Published in | 脳卒中 Vol. 28; no. 3; pp. 431 - 432 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳卒中学会
25.09.2006
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ISSN | 0912-0726 |
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Summary: | 脳卒中, 神経変性疾患などの嚥下障害により経口摂取困難となった患者の長期経管栄養管理において, 内視鏡的胃瘻造設術(Percutaneous Endoscopic Gastrostomy, 以下PEG)は, その簡便性, 安全性から急速に普及している. しかしながら, その慢性期合併症の一つであるPEGチューブ入れ替え時の腹腔内への誤挿入は汎発性腹膜炎を引き起こし, 生命にも関わる点で, 絶対に避けなければならない合併症である. 特にバンパータイプのPEGチューブは確実な固定と長期使用に耐える点で長期管理に有用ではあるが, 入れ替え時の誤挿入が問題となり得る. また神経疾患では意思疎通の困難な場合が多く, 誤挿入の際にも患者の訴えが捉えられず, 確実に胃内にPEGチューブが挿入されているのか判断に迷う場合もある. 一般的にはこの誤挿入を避けるために, チューブ入れ替え後に胃液を吸引出来るか, あるいは内視鏡を行いて実際に胃内から確実な挿入を観察することを推奨している施設もある. 我々はチューブ入れ替え直後にCT, 特に最近普及している3D-CTにより画像を立体的再構成行い, PEGチューブの確実な胃内挿入を確認している. |
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ISSN: | 0912-0726 |