YAGレーザー照射が奏効した食道悪性黒色腫の1例

症例は66歳, 男性. 主訴:嚥下困難. 現病歴:1993年5月に嚥下困難が出現し近医を受診したところ, 内視鏡検査にて食道腫瘍を指摘され治療のために当院第2外科紹介となった. 食道内には広範に黒色斑が存在し, さらに中部食道には黒色のBorrmann2型の腫瘍を認め生検で悪性黒色腫と診断された. 皮膚には黒色腫は認めなかった. 食道内の病変の広範さと骨転移から手術不能と判断され, 化学療法, 放射線療法を行った. 狭窄解除のためにYAGレーザーの照射を行ったところ腫瘍の縮小効果が認められ, 嚥下困難の改善も得られた. 6か月以上狭窄症状はなく経過観察中である....

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 16; no. 2; p. 33
Main Authors 太田知明, 柴田好, 横田欽一, 奥山修兒, 原田一道, 中沢文朗, 棟方隆, 水戸迪郎, 三代川斉之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 28.06.1995
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Summary:症例は66歳, 男性. 主訴:嚥下困難. 現病歴:1993年5月に嚥下困難が出現し近医を受診したところ, 内視鏡検査にて食道腫瘍を指摘され治療のために当院第2外科紹介となった. 食道内には広範に黒色斑が存在し, さらに中部食道には黒色のBorrmann2型の腫瘍を認め生検で悪性黒色腫と診断された. 皮膚には黒色腫は認めなかった. 食道内の病変の広範さと骨転移から手術不能と判断され, 化学療法, 放射線療法を行った. 狭窄解除のためにYAGレーザーの照射を行ったところ腫瘍の縮小効果が認められ, 嚥下困難の改善も得られた. 6か月以上狭窄症状はなく経過観察中である.
ISSN:0288-6200