反応射出成形ポリウレタンの化学構造と衝撃特性

反応射出成形ポリウレタンの実用に際し, 高い強度と耐熱性の要求が強い. それゆえ, 化学構造因子の効果を明らかにすることは材料設計上重要であり, 今回芳香疾イソシアナートに対してポリオールは骨格構造及びプロビレンオキシド (PO) の付加モル数を2~3種類変えたものを用い. 実用機により反応射出成形した平板について-60~160℃の温度範囲で衝撃特性を検討した. (1) 衝撃値Isは, 測定温度に対し極大値をもつ. この衝撃値の転移温度 (Tis) と見なされるTisを境にTis以下の温度では, 最大応力σが大きく, ひずみεが小さい. Tis以上ではσが小さくεが大きいことがわかった. (2...

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Published in高分子論文集 Vol. 45; no. 7; pp. 587 - 595
Main Authors 後藤, 昌生, 新保, 實, 宮野, 靖, 國尾, 武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.07.1988
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Summary:反応射出成形ポリウレタンの実用に際し, 高い強度と耐熱性の要求が強い. それゆえ, 化学構造因子の効果を明らかにすることは材料設計上重要であり, 今回芳香疾イソシアナートに対してポリオールは骨格構造及びプロビレンオキシド (PO) の付加モル数を2~3種類変えたものを用い. 実用機により反応射出成形した平板について-60~160℃の温度範囲で衝撃特性を検討した. (1) 衝撃値Isは, 測定温度に対し極大値をもつ. この衝撃値の転移温度 (Tis) と見なされるTisを境にTis以下の温度では, 最大応力σが大きく, ひずみεが小さい. Tis以上ではσが小さくεが大きいことがわかった. (2) TisはPO付加モル数n (1<n<6) の増加, 橋かけ密度の減少とともに低温側へ移動する. (3) Tis及びガラス転移温度はポリオールの骨格構造, 官能基数の影響がnの増加とともに小さくなり, nが5を越えるとある温度に収束する傾向がある. (4) 材料設計面から見て, 高耐衝撃性・高耐熱材料を得るにはポリオール骨格へのベンゼン環の導入とnの適正化が有用である.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.45.587