大腿骨内顆骨壊死に対するドリリングによる治療経験

「目的」大腿骨内頬骨壊死は, 突如の疼痛と夜間痛を訴える未だ成因が明確となっていない疾患である. 治療法として免荷, 病巣穿孔術(ドリリング), 骨移植, 高位頸骨骨切り術, 片側人工関節置換術などが挙げられる. 今回当科においてドリリングを施行したものの治療成績について検討した. 「対象」平成3~11年の間当科でドリリングを施行したのは23例24関節であった. 男性7例8関節, 女性16例16関節であった. このうちドリリング単独施行例は8例であった. 追跡期間は5カ月~8年, 平均3年1カ月であった. 「調査内容」術前術後における三大学試案膝関節機能評価のうち歩行能力(20点), 日常動作...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 11; p. 826
Main Authors 森下修, 小谷博信, 三木尭明, 星川一, 上尾豊二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.11.2000
Online AccessGet full text
ISSN0034-351X

Cover

More Information
Summary:「目的」大腿骨内頬骨壊死は, 突如の疼痛と夜間痛を訴える未だ成因が明確となっていない疾患である. 治療法として免荷, 病巣穿孔術(ドリリング), 骨移植, 高位頸骨骨切り術, 片側人工関節置換術などが挙げられる. 今回当科においてドリリングを施行したものの治療成績について検討した. 「対象」平成3~11年の間当科でドリリングを施行したのは23例24関節であった. 男性7例8関節, 女性16例16関節であった. このうちドリリング単独施行例は8例であった. 追跡期間は5カ月~8年, 平均3年1カ月であった. 「調査内容」術前術後における三大学試案膝関節機能評価のうち歩行能力(20点), 日常動作(10点)によって評価した. また, 大腿骨内頬骨壊死に特徴的である夜間痛の変化についても調査した. 「結果」ドリリングのみ施行した症例では平均12.5点から22.5点と改善が見られた. また, 半月板の処理など他の処置を追加した症例でも平均12.8点から19.6点と改善された. 夜間痛に関しては24例中16例が認められ, このうち13例において消失した. 追加手術としてTKAあるいはUKAを必要としたのは4例で, 追加手術までの期間は平均1年4カ月であった.
ISSN:0034-351X