肺門部早期肺癌に対するPhotodynamic Therapy

〔目的〕肺門部早期肺癌に対するPhotodynamic Therapy(PDT)について検討し, その適応と問題点につき報告する. 〔対象と方法〕1983年から1997年にかけて当院にてPDTの対象となった肺門部早期肺癌51症例60病変. 〔方法〕全例にphotofrin Iあるいはphotofrin IIをそれぞれ2mg/kg, 3mg/kg投与し48時間後にレーザーを照射した. 光源にはアルゴンダイレーザー, エキシマダイレーザー, YAG OPOレーザーを使用した. 〔結果〕全体のcomplete response(CR)率は71.7%であった. CRを規定する因子は, 局在部位, 気管...

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Published in気管支学 Vol. 20; no. 3; p. 217
Main Authors 川口知哉, 守屋賢介, 三木真理, 土山哲生, 延山誠一, 山本傑, 沖塩協一, 上野清伸, 武本優次, 安宅信二, 小河原光正, 細江重人, 河原正明, 古瀬清行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.04.1998
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ISSN0287-2137

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Summary:〔目的〕肺門部早期肺癌に対するPhotodynamic Therapy(PDT)について検討し, その適応と問題点につき報告する. 〔対象と方法〕1983年から1997年にかけて当院にてPDTの対象となった肺門部早期肺癌51症例60病変. 〔方法〕全例にphotofrin Iあるいはphotofrin IIをそれぞれ2mg/kg, 3mg/kg投与し48時間後にレーザーを照射した. 光源にはアルゴンダイレーザー, エキシマダイレーザー, YAG OPOレーザーを使用した. 〔結果〕全体のcomplete response(CR)率は71.7%であった. CRを規定する因子は, 局在部位, 気管支鏡所見や腫瘍辺縁の可視などよりも腫瘍長径であり, 腫瘍長径で10mm以下でのCR率は88.6%であった. PDTの適応, 効果判定をみるために, 腫瘍の浸潤の深達度測定として超音波内視鏡も試みている. 組織学的検討では, 上皮内癌においてもPDT後, 上皮下の線維化がみられたが, 時間の経過により線維化の消失を認めた. 長期予後について, CR症例のPDT 2年後の局所再発率は31.4%で, PDT 2年以上の再発は見られなかった. PDT後2年間再発が無ければ完全CRと考えられた. PDTの非CR症例, 再発例に対してはPDT, 外照射, 手術がなされた. 第2癌が15例に発生し, 放射線の照射例に多い傾向が認められた.
ISSN:0287-2137