広島大学歯学部附属病院における患者の来院動機の動向

今回われわれは, 広島大学歯学部附属病院受診の初診患者における来院動機の動向および口腔衛生に対する意識状況について検討を行った. 調査には, 平成5年度から平成11年度までの隔年の1月に初診患者として来院した1,103名により記入された, 来院動機や口腔清掃状態などの11項目の設問からなる問診表を使用した. 結果および考察 1)来院動機は, 歯科治療を目的としたものが大部分を占め, 予防を目的としたものは各期間とも数%程度にすぎなかったが, 若干の増加傾向はみられた. 2)口腔清掃状態に対する患者自身の自己評価と刷掃指導経験とは, 必ずしも一致していない傾向がうかがわれた. 以上のことから,...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 49; no. 5; p. 829
Main Authors 中岡美由紀, 田村裕子, 中島雅子, 岩崎代利子, 中田二三江, 鶴田圭伊子, 河原和子, 森下真行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.10.1999
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ISSN0023-2831

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Summary:今回われわれは, 広島大学歯学部附属病院受診の初診患者における来院動機の動向および口腔衛生に対する意識状況について検討を行った. 調査には, 平成5年度から平成11年度までの隔年の1月に初診患者として来院した1,103名により記入された, 来院動機や口腔清掃状態などの11項目の設問からなる問診表を使用した. 結果および考察 1)来院動機は, 歯科治療を目的としたものが大部分を占め, 予防を目的としたものは各期間とも数%程度にすぎなかったが, 若干の増加傾向はみられた. 2)口腔清掃状態に対する患者自身の自己評価と刷掃指導経験とは, 必ずしも一致していない傾向がうかがわれた. 以上のことから, 患者にとって歯科診療における予防診療の認識はいまだ低いこと, 口腔衛生状態についての自己認識は, 現状では口腔衛生指導や検診などの予防診療に対するニーズに結びつきにくいことが示された.
ISSN:0023-2831