重症心身障害成人の療育介護における他動運動の目的
重症心身障害児者の現在の療育指導は, 乳幼児期から引き続き身体機能の発達と健康管理, 社会生活への適応訓練を学習している. 今回私達は, 忘れられ易い他動運動の目的について検討した. 「対象」都内重症心身障害成人の通所施設に通う48症例で検討した. 年齢は18~37歳であった. 障害状況(大島分類)では, 1が22例, 2が18例, 4が4例, その他であった. 基礎疾患は, 脳性麻痺が29例, 脳障害が9例, 脳炎後遺症が4例, その他が6例であった. 「結果」48症例の通所者の運動訓練状況は, 理学療法士による単純機能訓練が全例に, 個別指導は13例に行われていた. 我々の通所では, 各種...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 37; no. 12; pp. 1133 - 1134 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.12.2000
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 重症心身障害児者の現在の療育指導は, 乳幼児期から引き続き身体機能の発達と健康管理, 社会生活への適応訓練を学習している. 今回私達は, 忘れられ易い他動運動の目的について検討した. 「対象」都内重症心身障害成人の通所施設に通う48症例で検討した. 年齢は18~37歳であった. 障害状況(大島分類)では, 1が22例, 2が18例, 4が4例, その他であった. 基礎疾患は, 脳性麻痺が29例, 脳障害が9例, 脳炎後遺症が4例, その他が6例であった. 「結果」48症例の通所者の運動訓練状況は, 理学療法士による単純機能訓練が全例に, 個別指導は13例に行われていた. 我々の通所では, 各種の感覚刺激訓練を理学療法士, 作業療法士以外の職種が関与している訓練指導である. 訓練内容には, 1)スヌーズレンは, 触覚および視覚と匂いを利用した方法で, 回数は一人当り平均月1回. 2)ムーブメントは, 障害者の発達レベルに合わせて体の姿勢と移動操作(介助を含む)でコミュニケーションを計る. 一人当り月2回. 3)音楽を利用した訓練では, 一人当り月2回程度行った. 「まとめ」理学療法士, 作業療法士が関与する運動訓練以外にも, 他動的な運動訓練として, 各種の感覚刺激訓練が活用できる. 目標は, 対人関係の拡大と緊張のコントロールに効果が期待される. 高齢の親に負担をかけない他動的な刺激(感覚刺激)で緊張のコントロールを計りたい. |
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ISSN: | 0034-351X |