当院におけるDI業務の検討(第6報)
目的:近年, 患者の安全管理を目的としてさらなる医薬品の適正使用が求められている. 今回, 医薬品適正使用を進める上で, 薬剤師が医薬品情報提供をいかにすべきか, 過去数年間の医薬品情報提供業務を分析し, 多少の知見を得たので報告する. 方法:質疑応答の内容を「問い合わせ記録表」を用いて調査した. 職種別質疑依頼者, 質疑内容について, 期間は平成8~14年, 項目は薬物療法, 副作用, 相互作用などを含む18項目とした. また, 薬剤部ニュース発行件数および内容について, 期間は平成9~14年とした. 医薬品安全性報告書の件数は平成13年4月~15年3月とした. 結果:(1)各年度とも職種別...
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Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 608 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
15.12.2003
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ISSN | 1345-4676 |
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Summary: | 目的:近年, 患者の安全管理を目的としてさらなる医薬品の適正使用が求められている. 今回, 医薬品適正使用を進める上で, 薬剤師が医薬品情報提供をいかにすべきか, 過去数年間の医薬品情報提供業務を分析し, 多少の知見を得たので報告する. 方法:質疑応答の内容を「問い合わせ記録表」を用いて調査した. 職種別質疑依頼者, 質疑内容について, 期間は平成8~14年, 項目は薬物療法, 副作用, 相互作用などを含む18項目とした. また, 薬剤部ニュース発行件数および内容について, 期間は平成9~14年とした. 医薬品安全性報告書の件数は平成13年4月~15年3月とした. 結果:(1)各年度とも職種別質疑依頼者は医師が最も多く, 質疑依頼者数は, 平成12年度より年々増加していた. (2)質疑内容では, 副作用-相互作用, 薬物動態に関する質疑が増加し, 製品鑑別, 包装-規格, 効能-効果, 用法用量に減少傾向が見られた. (3)薬剤部ニュース発行件数は年々増加し, 内容は, 安全性情報, 包装-剤形変更, 製品供給状況, 保険上の取扱いに増加傾向が見られた. (4)医薬品安全性報告書は一月あたり約2件であった. 考察:以上の結果から, 薬品情報室の役割の評価が年々高まっていることが示唆された. 今後さらに医薬品適正使用を推進するために, 院内LANの活用, 安全情報の即時的な各病棟への配布, 全入院患者さんへのお薬説明書発行等により, 情報提供を積極的に行っていきたいと考えている. |
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ISSN: | 1345-4676 |