歯周病治療は脳卒中を予防できるか(第二報)
脳卒中と歯周病との因果関係を前向き介入試験で明らかにするため, 平成15年度より歯周病患者13名に対し, 歯周病学的評価および頚動脈エコー検査, 頭部MRI検査, 空腹時採血, 病歴聴取を行い, その後, 歯周基本治療を開始した. 1年後, フォローアップとして, 同じ評価を行い, 施行しえた10名を解析した. 歯周病学的評価では, PPD6mm以上の部位数, 4mm以上の部位数, BOPの低下を認め, 歯周治療の効果を認めた. 頚動脈エコーの総頚動脈内膜中膜厚(IMT)や空腹時採血の測定項目に変化はなかった. 頭部MRIでは, 1名に大脳白質の虚血性変化が出現し, 1名は逆に動脈硬化性変化の...
Saved in:
Published in | 九州歯科学会雑誌 Vol. 59; no. 4; p. 175 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
九州歯科学会
25.10.2005
|
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 脳卒中と歯周病との因果関係を前向き介入試験で明らかにするため, 平成15年度より歯周病患者13名に対し, 歯周病学的評価および頚動脈エコー検査, 頭部MRI検査, 空腹時採血, 病歴聴取を行い, その後, 歯周基本治療を開始した. 1年後, フォローアップとして, 同じ評価を行い, 施行しえた10名を解析した. 歯周病学的評価では, PPD6mm以上の部位数, 4mm以上の部位数, BOPの低下を認め, 歯周治療の効果を認めた. 頚動脈エコーの総頚動脈内膜中膜厚(IMT)や空腹時採血の測定項目に変化はなかった. 頭部MRIでは, 1名に大脳白質の虚血性変化が出現し, 1名は逆に動脈硬化性変化の改善を認めた. 頭部MRI所見の悪化した1名は, 元々PPD6mm以上の部位はなく, 4mm以上のPPD部位数の改善がみられた. またBOPは40%から9%に改善していた. 頭部MRI所見の改善した1名は, 6mm以上のPPD部位が5ヵ所から0ヵ所に, BOPが67%から1.7%へと著しい歯周病の改善がみられた. 最終年度である平成17年では, 再度フォローアップを行い, 脳卒中と歯周病の関係を検討する予定である. |
---|---|
ISSN: | 0368-6833 |