直接クームス試験陽性患者の自己血輸血の1例

今回, 我々は直接クームス試験陽性患者の自己血輸血を行い, 保存中の自己血の溶血程度を調べたので報告する. 症例:患者は56歳の女性で, 慢性関節リュウマチによる右膝間接置換術を行うため2回に分けて自己血800mlを貯血した. 1回目の貯血時の血液型検査時に不規則抗体スクリーニング陽性, 直接クームス試験陽性で, 温式自己抗体が存在することがわかった. 方法:保存中の自己血の溶血状態を見るために, 貯血した自己血からMAPとFFPに分離した時に, 了-バッグにMAP加濃厚赤血球を20mlほど取り, 輸血を実施するまで1週毎に遊離Hb値・K値・LDH値および直接クームス試験の測定を行った. また...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 3; p. 345
Main Authors 川野洋之, 東谷孝徳, 江頭貞臣, 小川美津子, 相浦佳代子, 佐川公矯
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.06.2000
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ISSN0546-1448

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Summary:今回, 我々は直接クームス試験陽性患者の自己血輸血を行い, 保存中の自己血の溶血程度を調べたので報告する. 症例:患者は56歳の女性で, 慢性関節リュウマチによる右膝間接置換術を行うため2回に分けて自己血800mlを貯血した. 1回目の貯血時の血液型検査時に不規則抗体スクリーニング陽性, 直接クームス試験陽性で, 温式自己抗体が存在することがわかった. 方法:保存中の自己血の溶血状態を見るために, 貯血した自己血からMAPとFFPに分離した時に, 了-バッグにMAP加濃厚赤血球を20mlほど取り, 輸血を実施するまで1週毎に遊離Hb値・K値・LDH値および直接クームス試験の測定を行った. また, 輸血の影響を見るため, 輸血後の患者のHb値・LDH値・ビリルビン値について調べた.
ISSN:0546-1448