馬尿酸およびデルタアミノレブリン酸の排泄について

スポット尿の濃淡の補正について, 演者らは, 尿中デルタアミノレブリン酸(ALA)は比重法が有効であり, 尿中馬尿酸はクレアチニン法, 比重法とも有効であることを報告したが, 尿中馬尿酸については明らかな結果ではなかった. そこで, 健常な男子1名について, 安息香酸が添加された清涼飲料水摂取時の馬尿酸の排泄と尿の濃淡の補正に関して再調査を行うとともに, 生理値レベルでのALAとの比較調査を行った. 馬尿酸の尿中への時間あたりの排泄量は, 尿細管での再吸収を伴わないクレアチニンと同様, 尿の濃淡に関わらず一定であり, 尿の濃淡の補正は比重法よりも, むしろクレアチニン法が適している. 一方,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in産業衛生学雑誌 Vol. 42; no. 1; p. 39
Main Authors 廣瀬隆穂, 村田和弘, 木村隆, 芹生陽一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.2000
Online AccessGet full text
ISSN1341-0725

Cover

More Information
Summary:スポット尿の濃淡の補正について, 演者らは, 尿中デルタアミノレブリン酸(ALA)は比重法が有効であり, 尿中馬尿酸はクレアチニン法, 比重法とも有効であることを報告したが, 尿中馬尿酸については明らかな結果ではなかった. そこで, 健常な男子1名について, 安息香酸が添加された清涼飲料水摂取時の馬尿酸の排泄と尿の濃淡の補正に関して再調査を行うとともに, 生理値レベルでのALAとの比較調査を行った. 馬尿酸の尿中への時間あたりの排泄量は, 尿細管での再吸収を伴わないクレアチニンと同様, 尿の濃淡に関わらず一定であり, 尿の濃淡の補正は比重法よりも, むしろクレアチニン法が適している. 一方, ALAの尿中への時間あたりの排出量は, 尿細管での再吸収を伴う尿比重関係成分と同様, 尿が濃縮に伴い低下する傾向が認められ, 演者らがすでに報告しているように, 尿の濃淡の補正はクレアチニン法よりも, むしろ尿比重法が適している.
ISSN:1341-0725