当科における過去3年間の口腔悪性腫瘍症例の臨床統計的検討

「要旨」:2006年6月から2009年3月までの約3年間に当科で根治的治療を行った口腔癌計75症例について臨床的に検討した. 部位の内訳では舌が多く, 下顎歯肉, 上顎歯肉, 口底, 頬粘膜, 口唇と続き, 病期はStage Iの症例が最も多かった. また, 口腔内異時性多発癌の症例も経験し, 口腔癌症例における経過観察の重要性が改めて確認された. 全症例の癌特異的3年生存率は92.7%で, 経過観察期間は短いもののStage I~IIIにおける予後不良例はなかったが, Stage IVで72.2%の生存率であった. 口腔癌は全癌中1~2%の発生率であるが, 頭頸部癌の領域においては30%以上...

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Published inDental Medicine Research Vol. 30; no. 1; pp. 57 - 62
Main Authors 渡辺仁資, 井上理, 金塚文子, 栗原祐史, 松浦光洋, 吉濱泰斗, 代田達夫, 羽鳥仁志, 新谷悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 31.03.2010
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ISSN1882-0719

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Summary:「要旨」:2006年6月から2009年3月までの約3年間に当科で根治的治療を行った口腔癌計75症例について臨床的に検討した. 部位の内訳では舌が多く, 下顎歯肉, 上顎歯肉, 口底, 頬粘膜, 口唇と続き, 病期はStage Iの症例が最も多かった. また, 口腔内異時性多発癌の症例も経験し, 口腔癌症例における経過観察の重要性が改めて確認された. 全症例の癌特異的3年生存率は92.7%で, 経過観察期間は短いもののStage I~IIIにおける予後不良例はなかったが, Stage IVで72.2%の生存率であった. 口腔癌は全癌中1~2%の発生率であるが, 頭頸部癌の領域においては30%以上の発生率を占めると言われている1). 口腔癌の多くは扁平上皮癌であり, 発生部位では舌が最も多く男女比としては, やや男性に多いと言われている2). 現在, 扁平上皮癌に対して, 様々な治療法が行われているが, 3年生存率では病期が進行するに従って生存率が低下することが報告されている3).
ISSN:1882-0719