歯科保健計画の必要性と今後の展望~地域住民は何を期待しているか

近年, 社会経済環境の変化に伴い住民ニーズは多様化, 高度化し, 新たな行政需要や政策立案能力の向上が求められており, さらに地方分権の推進により市民に身近なサービスは市町村の判断と責任において実施されることになっている. 特に市町村合併や介護保険制度の改正, 医療制度改革や生活習慣病に重点をおいた対策の推進などが次々に打ち出され, 厳しい財政状況のなかで効果的な施策の推進が不可欠である. このようななかで, 歯科保健において最も大切なことは, 第1に住民の歯科保健の現状やニーズを的確に把握すること, 第2に限りある財源や人的資源の有効活用を図るために施策の優先性を踏まえた事業の組み立てを行う...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 57; no. 1; p. 54
Main Author 石上和男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.01.2007
Online AccessGet full text
ISSN0023-2831

Cover

Loading…
More Information
Summary:近年, 社会経済環境の変化に伴い住民ニーズは多様化, 高度化し, 新たな行政需要や政策立案能力の向上が求められており, さらに地方分権の推進により市民に身近なサービスは市町村の判断と責任において実施されることになっている. 特に市町村合併や介護保険制度の改正, 医療制度改革や生活習慣病に重点をおいた対策の推進などが次々に打ち出され, 厳しい財政状況のなかで効果的な施策の推進が不可欠である. このようななかで, 歯科保健において最も大切なことは, 第1に住民の歯科保健の現状やニーズを的確に把握すること, 第2に限りある財源や人的資源の有効活用を図るために施策の優先性を踏まえた事業の組み立てを行うこと, 第3は歯科保健だけが単独で成功する例は少なくなり, さまざまな関係者の理解と協力を得たうえで役割分担を明確にして事業を進めることが必要になること, 第4には歯科保健計画をきちんと立案して地域住民に明示することが最も重要であり, これからの地域歯科保健の展開に不可欠の事柄と考える.
ISSN:0023-2831