腹腔鏡による子宮病変に対するレーザー療法

近年の手術技術の発達により, 腹腔鏡下での子宮に対する手術が頻繁に行われるようになった. 手術の内容は, 子宮全摘出術, 子宮筋腫核出術などであり, いずれの手術においても子宮や子宮傍結合織などを切開, 止血, 縫合を行う必要がある. 手術機器は, 手術操作内容によって選択され, 適材適所の原則で使用される. レーザーにおいても同様であり, 各種レーザーメスの特性を生かした使用法が理想的である. 教室では1983年より腹腔鏡下手術にNd:YAGレーザーを導入し, 今日まで様々な用途で使用してきた. 当初, 教室でのNd:YAGレーザーの使用は, 非接触照射法による組織の凝固・蒸散を目的に, 子...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 21; no. 3; p. 292
Main Authors 森田峰人, 内出一郎, 中熊正仁, 久保春海, 平川舜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 28.09.2000
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ISSN0288-6200

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Summary:近年の手術技術の発達により, 腹腔鏡下での子宮に対する手術が頻繁に行われるようになった. 手術の内容は, 子宮全摘出術, 子宮筋腫核出術などであり, いずれの手術においても子宮や子宮傍結合織などを切開, 止血, 縫合を行う必要がある. 手術機器は, 手術操作内容によって選択され, 適材適所の原則で使用される. レーザーにおいても同様であり, 各種レーザーメスの特性を生かした使用法が理想的である. 教室では1983年より腹腔鏡下手術にNd:YAGレーザーを導入し, 今日まで様々な用途で使用してきた. 当初, 教室でのNd:YAGレーザーの使用は, 非接触照射法による組織の凝固・蒸散を目的に, 子宮内膜症腹膜病変の凝固・蒸散や子宮外妊娠における卵管切除術に使用していた. しかしながら, Nd:YAGレーザーの非接触照射法での切開には限界があり, ファイバー先端に接続するサファイアブローべの開発により, 現在では接触照射法による使用で切開を行うのが通常となった. 腹腔鏡下での子宮全摘出術や子宮筋腫核出術において, レーザーなどの切開器具は, 子宮支持組織の切断と子宮壁の切開が主な利用操作であり, 現在選択可能な機器としては, 各種レーザー, 電気メス(モノポーラ, バイポーラ), 超音波メスなどがある. 本シンポジウムでは, 各種切開器具による子宮壁の切開や子宮支持組織の切断の実際の使用を示し, その適応と限界を検討する. 教室では1983年より腹腔鏡下手術にNd:YAGレーザーを導入し, 今日まで様々な用途で使用してきた. 当初, 教室でのNd:YAGレーザーの使用は, 非接触照射法による組織の凝固・蒸散を目的に, 子宮内膜症腹膜病変の凝固・蒸散や子宮外妊娠における卵管切除術に使用していた. しかしながら, Nd:YAGレーザーの荊妾触照射法での切開には限界があり, ファイバー先端に接続するサファイアブローべの開発により, 現在では接触照射法による使用で切開を行うのが通常となった. 腹腔鏡下での子宮全摘出術や子宮筋腫核出術において, レーザーなどの切開器具は, 子宮支持組織の切断と子宮壁の切開が主な利用操作であり, 現在選択可能な機器としては, 各種レーザー, 電気メス(モノポーラ, バイポーラ), 超音波メスなどがある. 本シンポジウムでは, 各種切開器具による子宮壁の切開や子宮支持組織の切断の実際の使用を示し, その適応と限界を検討する.
ISSN:0288-6200