右中幹を閉塞し管状中葉切除を施行したCarcinoid症例

症例は68歳, 女性. 平成5年頃より喀痰多く, 気管支炎として治療を受けていた. 平成11年1月, 肺炎のため他院に入院. 呼吸苦が増悪したため転院し胸部CTを施行したところ, 右気管支腫瘍を指摘された. 3月19日当院内科受診. 気管支鏡検査施行したところ, 右中幹に黄白色の腫瘍が存在し, 同部よりの細胞診にてCarcinoid疑いとの診断となる. 呼吸器外科入院となり, 4月28日, 右中葉管状切除施行した. 手術標本では, 右中間幹外側の中葉支入口部に茎を有し気管支内腔に突出する腫瘍を認めた. 腫瘍細胞は, 小型から中型の類円形核と中等量の胞体を有し, クロマチンの増殖はあるが, 核不...

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Published in気管支学 Vol. 21; no. 5; p. 372
Main Authors 吉野直之, 小池輝明, 滝沢恒世, 寺島雅範, 森山寛史, 横山晶, 塚田裕子, 阿部徹哉, 栗田雄三, 本間慶一, 太田玉紀, 根本啓一, 小田純一, 伊藤和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.07.1999
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は68歳, 女性. 平成5年頃より喀痰多く, 気管支炎として治療を受けていた. 平成11年1月, 肺炎のため他院に入院. 呼吸苦が増悪したため転院し胸部CTを施行したところ, 右気管支腫瘍を指摘された. 3月19日当院内科受診. 気管支鏡検査施行したところ, 右中幹に黄白色の腫瘍が存在し, 同部よりの細胞診にてCarcinoid疑いとの診断となる. 呼吸器外科入院となり, 4月28日, 右中葉管状切除施行した. 手術標本では, 右中間幹外側の中葉支入口部に茎を有し気管支内腔に突出する腫瘍を認めた. 腫瘍細胞は, 小型から中型の類円形核と中等量の胞体を有し, クロマチンの増殖はあるが, 核不整や核小体は目立たなかった. 胞体は淡好酸性で微細顆粒状であった. 病理所見的にTypical carcinoidを強く示唆するものであった. 経過および形態的に興味ある症例と考えここに報告する.
ISSN:0287-2137