マイクロプレートを用いた自動血液型判定システムの開発

血液型検査の省力化において, 自動化は不可欠である. 今回我々は, マイクロプレート法を用いてオーダリングから結果報告まですべてを自動化した血液判定システムを開発したので報告する. 方法:システムとしては, (1)ワークステーション及び高速精密分注装置;受け付けられた検体をマイクロプレートに分注する, (2)プレートリーダー;室温10分間反応後測定, (3)ワークステーション;判定結果をホストコンピューターに返すの3部分よりなる. 対象検体は, 当院輸血部に提出されるEDTA2Na 3ml採血管で採血された血液に, バーコードを貼って検体受け付けされたものを用いた. 血液型判定用抗血清試薬及び...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 42; no. 6; pp. 309 - 310
Main Authors 道野淳子, 多葉田祥代, 西野主眞, 樋口清博, 古井啓, 渡邊明治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1996
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ISSN0546-1448

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Summary:血液型検査の省力化において, 自動化は不可欠である. 今回我々は, マイクロプレート法を用いてオーダリングから結果報告まですべてを自動化した血液判定システムを開発したので報告する. 方法:システムとしては, (1)ワークステーション及び高速精密分注装置;受け付けられた検体をマイクロプレートに分注する, (2)プレートリーダー;室温10分間反応後測定, (3)ワークステーション;判定結果をホストコンピューターに返すの3部分よりなる. 対象検体は, 当院輸血部に提出されるEDTA2Na 3ml採血管で採血された血液に, バーコードを貼って検体受け付けされたものを用いた. 血液型判定用抗血清試薬及び患者血漿は希釈せず, 25μlずつ分注し使用した. またウラ血球試薬及び患者血球浮遊液は3%血球浮遊液とし, 10μlずつ分注し使用した. 血液型判定は, 室温10分間プレートミキサーにて攪拌した後, マイクロプレートリーダーで測定し判定を行い, その結果と目視判定の結果が一致した検体のみをホストコンピューターに報告するものとした. まとめ:本システムを血液型判定に使用することにより, 検体分注時の取り違い防止, 感染予防, 事務の省略化, 誤記入防止などに有効なこと, また検体の微量化が可能となり試薬の節約が計れることなどの利点が得られた.
ISSN:0546-1448