アロマテラピーが良導絡測定値に及ぼす影響(第1報)―ローズマリー・シネオールとイランイランの場合

【緒言】精油には自律神経を安定させ, 精神をリラックスさせる効果があるといわれている. また, 精油の種類により精神安定作用・精神強化作用・精神高揚作用・催淫作用など交感神経を興奮させる精油と抑制させる精油とがあり, 精油の体内への吸収は鼻粘膜からの吸入と皮膚からの吸収の二通りがある. 空気中の広がり方には対流と拡散がある. 自由拡散の分子の平均拡散速度というのは1秒に1mm以下でありほとんど移動しない. 1)匂いの分子の本体は揮発性の炭化水素化合物である. 1)そこで, 湯に精油を滴下し揮発させてから健康成人9人にローズマリー・シネオールを鼻粘膜から吸入させた後に心電図・血圧を測定したのが,...

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Published in日本良導絡自律神経学会雑誌 Vol. 53; no. 2; pp. 51 - 57
Main Authors 橋口修, 後藤公哉, 篠原鼎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本良導絡自律神経学会 15.03.2008
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ISSN0913-0977

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Summary:【緒言】精油には自律神経を安定させ, 精神をリラックスさせる効果があるといわれている. また, 精油の種類により精神安定作用・精神強化作用・精神高揚作用・催淫作用など交感神経を興奮させる精油と抑制させる精油とがあり, 精油の体内への吸収は鼻粘膜からの吸入と皮膚からの吸収の二通りがある. 空気中の広がり方には対流と拡散がある. 自由拡散の分子の平均拡散速度というのは1秒に1mm以下でありほとんど移動しない. 1)匂いの分子の本体は揮発性の炭化水素化合物である. 1)そこで, 湯に精油を滴下し揮発させてから健康成人9人にローズマリー・シネオールを鼻粘膜から吸入させた後に心電図・血圧を測定したのが, 心拍数(図1), 最高血圧(図2), 最低血圧(図3)である. その結果ほとんど変化はなかった. 次に血圧上昇させる作用のあるといわれるケトン類のカンファを含むローズマリー・カンファと, 副交感神経強壮作用のあるモノテルペンベンアルコール類のテルピネン4-olを含むマジョラムを, 鼻粘膜から吸入させ, 血圧に変動があるか調べた. その結果ほとんど変動はなかった. そこでローズマリー・シネオール(図4)とイランイラン(図5)良導絡測定で精油の交感神経への影響が確認できるか実験をしてみた.
ISSN:0913-0977