気管支結石の1例

症例は59歳, 男性. 平成6年より舌区に肺炎を反復, 平成10年6月4度目の肺炎を発症, 抗生剤投与で臨床症状は消失したが, 肺陰影は増悪, 舌区無気肺を呈し当科紹介される. 当科での胸部レントゲン写真(断層), CT, MRIで舌区入口部の気管支内に石灰化した結節影を認め, 気管支結石と診断す. 結石以下の舌区は完全に含気を失い, 一部膿瘍化をみた. 気管支鏡で舌区入口部を完全閉塞する黄白色の結石を視認し, 摘出を試みたが不可能であった. このため左後側方切開で開胸, 舌区根部を離断, 結石を摘出し, 舌区楔状切除を行った. 左肺底区に初感染病巣と思われる小結節影あり, 上葉枝周辺にも石灰...

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Published in気管支学 Vol. 21; no. 1; p. 75
Main Authors 鈴木周雄, 西山晴美, 小田切繁樹, 小川伸郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.01.1999
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は59歳, 男性. 平成6年より舌区に肺炎を反復, 平成10年6月4度目の肺炎を発症, 抗生剤投与で臨床症状は消失したが, 肺陰影は増悪, 舌区無気肺を呈し当科紹介される. 当科での胸部レントゲン写真(断層), CT, MRIで舌区入口部の気管支内に石灰化した結節影を認め, 気管支結石と診断す. 結石以下の舌区は完全に含気を失い, 一部膿瘍化をみた. 気管支鏡で舌区入口部を完全閉塞する黄白色の結石を視認し, 摘出を試みたが不可能であった. このため左後側方切開で開胸, 舌区根部を離断, 結石を摘出し, 舌区楔状切除を行った. 左肺底区に初感染病巣と思われる小結節影あり, 上葉枝周辺にも石灰化したリンパ節を散見, 結核による石灰化リンパ節の気管支内侵入によって形成された気管支結石と考えられた.
ISSN:0287-2137