レーザー鍼を使った刺激効果の測定
患者に鍼灸の治療方法と効果を説明するには, 視覚的に表示されるものがあれば患者に対して人間関係と信頼関係が生まれる. また治癒の過程が視覚的に見ることが出来れば, 治療前後の指導をする事が出来る. しかし, これまでは鍼灸刺激の効果をリアルタイムに表示するものがあまり無かった. 今回レーザー鍼を用いて, 視覚的に刺激を見る(生体から出る極微弱光計測で表示)ことが可能になったので, 刺激効果の測定について報告する. 【方法】 手技の刺針は刺激量が異なるので, 客観的に測定出来るレーザー鍼を使用した. 測定の対象者は20人の男女学生(20代)で, 経穴の計測時間は1ヶ所それぞれ100秒行った. こ...
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Published in | 日本鍼灸良導絡医学会誌 Vol. 27; no. 4; p. 34 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本良導絡神経学会
01.09.1999
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ISSN | 0286-1631 |
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Summary: | 患者に鍼灸の治療方法と効果を説明するには, 視覚的に表示されるものがあれば患者に対して人間関係と信頼関係が生まれる. また治癒の過程が視覚的に見ることが出来れば, 治療前後の指導をする事が出来る. しかし, これまでは鍼灸刺激の効果をリアルタイムに表示するものがあまり無かった. 今回レーザー鍼を用いて, 視覚的に刺激を見る(生体から出る極微弱光計測で表示)ことが可能になったので, 刺激効果の測定について報告する. 【方法】 手技の刺針は刺激量が異なるので, 客観的に測定出来るレーザー鍼を使用した. 測定の対象者は20人の男女学生(20代)で, 経穴の計測時間は1ヶ所それぞれ100秒行った. ここでは左右上腕の曲池(H_6 11)や合谷(H_6 4)にレーザー鍼を照射し, 測定を行う. 測定位置は右手指先の商陽(H_6 1)に測定装置を設定し, 生体から放出される極微弱光の測定を行う. 測定経穴にレーザー鍼を照射し, 照射前後の発光特性を比較する. 【結果】 生体から出る極微弱発光(自然に出る発光)とレーザー鍼を照射した場合の前後特性の比較を行った結果, それぞれの発光特性は異なることが観測された. また腕から指先の方向に行くに従い, 発光量が少しずつ多くなっていくことも測定された. 【考察】 鍼(手技)や灸(温灸)の場合刺激方法が一定で無い為, 個人差により刺激量が異なる. 経穴にレーザー鍼を照射した場合, 鍼・灸よりも高い発光強度が得られた. 【結語】 鍼・灸は, 使用する人によりそれぞれ刺激量が異なるため一定量の刺激を連続して与えることが不可能である. そのため刺激量が一定であるレーザー鍼を用いて測定を行った. その結果, 従来の手技鍼と異なり, 客観的に計測する事が出来, 良い結果が得られた. |
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ISSN: | 0286-1631 |