中高年労働者における泌尿器科的自覚症状

ある事業場の50歳から60歳までの男性447人を対象に泌尿器科的自覚症状のアンケート調査を行った. その結果51.2%の人が夜間に時々あるいは毎日排尿に起きると答えた. 一部の人は既に前立腺肥大症に罹患している可能性が示唆された. また技術系(高卒現場従事者)は主事技師系(大卒事務職者)に比較して一日の排尿回数を多いと自覚する人が有意に多かった. これは作業現場でラインに乗って働いている従業員はトイレにいく時間が制限されるので, 排尿回数を多いと自覚するためではないかと推測された. 一方性欲に関する質問では主事技師系は技術系に比較して昔から淡白な人が多く, 以前は強かった, あるいは現在も強い...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 41; no. 1; p. 15
Main Authors 斉藤政彦, 榊原一恵, 池山真治, 浜松昭雄, 小森義隆, 伊藤宜則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.1999
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ISSN1341-0725

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Summary:ある事業場の50歳から60歳までの男性447人を対象に泌尿器科的自覚症状のアンケート調査を行った. その結果51.2%の人が夜間に時々あるいは毎日排尿に起きると答えた. 一部の人は既に前立腺肥大症に罹患している可能性が示唆された. また技術系(高卒現場従事者)は主事技師系(大卒事務職者)に比較して一日の排尿回数を多いと自覚する人が有意に多かった. これは作業現場でラインに乗って働いている従業員はトイレにいく時間が制限されるので, 排尿回数を多いと自覚するためではないかと推測された. 一方性欲に関する質問では主事技師系は技術系に比較して昔から淡白な人が多く, 以前は強かった, あるいは現在も強い方だと答えた人の割合が有意に低かった. 一般的に性欲はストレスに対して鋭敏に反応して低下する. ストレスにさらされやすい中高年管理職(主事技師系)に性欲の低い人が多いのは, ストレスの強さを反映したためと考えられた.
ISSN:1341-0725