各市町村で行われる機能訓練事業の意義

われわれは, 4市町村で行われた機能訓練事業の参加者46名の, 事業開始時と終了時の運動機能やBar-thel IndexによるADLを評価し, 機能訓練事業参加による運動能力の変化を検討した. また機能訓練事業の参加者21名と当科外来に通院中の慢性期脳卒中片麻痺患者19名に対して, 産業医大方式の生活満足度調査も実施し(両群間において年齢, Barthel Indexに有意差なし), 各市町村で行われる機能訓練事業の意義について検討した. その結果, (1)機能訓練開始時と終了時ではBarthel Indexと脳卒中患者の片麻痺機能に有意な改善はみられなかった. 起居動作は, 改善5名, 不...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 33; no. 1; p. 61
Main Authors 大隈秀信, 小林昌之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.1996
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ISSN0034-351X

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Summary:われわれは, 4市町村で行われた機能訓練事業の参加者46名の, 事業開始時と終了時の運動機能やBar-thel IndexによるADLを評価し, 機能訓練事業参加による運動能力の変化を検討した. また機能訓練事業の参加者21名と当科外来に通院中の慢性期脳卒中片麻痺患者19名に対して, 産業医大方式の生活満足度調査も実施し(両群間において年齢, Barthel Indexに有意差なし), 各市町村で行われる機能訓練事業の意義について検討した. その結果, (1)機能訓練開始時と終了時ではBarthel Indexと脳卒中患者の片麻痺機能に有意な改善はみられなかった. 起居動作は, 改善5名, 不変39名であった. (2)日常生活満足度調査の点数は, 身体機能, 家庭生活, 勤労生活, 所得資産の項目では有意差はなく, 社会生活, 自己啓発, レクリエーションの3項目で有意に機能訓練参加者の方が高かった. 以上の結果より機能訓練事業は, 社会参加と交流の場を提供し, 心身の活性化を図る意義が大きいものと思われた.
ISSN:0034-351X