自宅火災にて気道熱傷を起こした1症例

症例は32歳, 男性. 平成9年1月13日23時就寝中に自宅の火災に逃げ遅れ受傷. 皮膚の熱傷は, 顔面と両側上肢のII度の熱傷で受傷面積は約10%と軽傷だった. 気道熱傷疑われ, 直ぐに挿管し人工呼吸を行った. 1月14日BFS施行. 粘膜面が気管から末梢の気管支までほとんど全てススで覆われていた. 1月16日再度BFS施行. 気管支は強度の発赤と浮腫を伴い気管支粘膜があらゆる部位で剥離しており, 一部には気管支を閉塞していた. その後もtoillettingを繰り返し行い, 剥離した粘膜, ススの除去を行った. 2月19日退院したが, 4月3日再度BFSを行った時には, 気管・気管分岐部に...

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Published in気管支学 Vol. 20; no. 4; p. 366
Main Authors 牛島淳, 上田恵一, 荒木嘉造, 中村猛彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.05.1998
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は32歳, 男性. 平成9年1月13日23時就寝中に自宅の火災に逃げ遅れ受傷. 皮膚の熱傷は, 顔面と両側上肢のII度の熱傷で受傷面積は約10%と軽傷だった. 気道熱傷疑われ, 直ぐに挿管し人工呼吸を行った. 1月14日BFS施行. 粘膜面が気管から末梢の気管支までほとんど全てススで覆われていた. 1月16日再度BFS施行. 気管支は強度の発赤と浮腫を伴い気管支粘膜があらゆる部位で剥離しており, 一部には気管支を閉塞していた. その後もtoillettingを繰り返し行い, 剥離した粘膜, ススの除去を行った. 2月19日退院したが, 4月3日再度BFSを行った時には, 気管・気管分岐部に炎症性ポリープと思われる肉芽形成を認め, マイクロ波にて焼灼し除去した. 現在咳嗽が残り外来follow up中である.
ISSN:0287-2137