白血球除去フィルターの白血球除去率と臨床効果
[目的]抗白血球抗体産生, 輸血副作用を防止する目的として白血球除去フィルターが使用されている. 血液製剤および処理条件の違いによる白血球除去率への影響と臨床効果を検討したので報告する. [方法]赤血球製剤は濃厚赤血球(N-CRC), MAP加CRC(RC-MAP)の2種類で, 白血球除去フィルターはセパセルR-500IIを使用し, 処理条件は通常の輸血速度(5ml/min)とN-CRCを加圧(P-CRC)し, フィルターを通過させた. 血小板製剤は採血後3日以内の濃厚血小板で, 白血球除去フィルターはセパセルPL-10IIを使用した. 処理条件は通常の輸血速度(5ml/min)(N-CRC)...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 39; no. 2; p. 504 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.05.1993
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | [目的]抗白血球抗体産生, 輸血副作用を防止する目的として白血球除去フィルターが使用されている. 血液製剤および処理条件の違いによる白血球除去率への影響と臨床効果を検討したので報告する. [方法]赤血球製剤は濃厚赤血球(N-CRC), MAP加CRC(RC-MAP)の2種類で, 白血球除去フィルターはセパセルR-500IIを使用し, 処理条件は通常の輸血速度(5ml/min)とN-CRCを加圧(P-CRC)し, フィルターを通過させた. 血小板製剤は採血後3日以内の濃厚血小板で, 白血球除去フィルターはセパセルPL-10IIを使用した. 処理条件は通常の輸血速度(5ml/min)(N-CRC)とクランプ全開の急速自然落下(H-PC)で, フィルターを通過させた. [結果]N-CRC, RC-MAP, P-CRCの濾過前後の製剤中の白血球数の絶対数と白血球除去率の平均値はそれぞれ, N-CRC(n=5):14.66×10^8 →1.91×10^6 :99.88±0.07% RC-MAP(n=5):10.19×10^8 →1.24×10^6 :99.90±0.17% P-CRC(n=3):7.0×10^8 →0.72×10^6 :99.86±0.19%で, すべての製剤中の白血球除去率は99.8%以上で差は認めなかった. N-PC, H-PCでは同様にそれぞれ, N-PC(n=6):1.98×10^8 →0.54×106:99.75±0.29% H-PC(n=4):2.78×10^8 →2.81×10^6 :95.64±2.95%で, H-PCの除去率はN-PCと比較して低下した. 当病院での非溶血性発熱反応および頻回輸血患者の抗白血球抗体産生率は, フィルター使用前後ではそれぞれ, 4.2%から1.1%, 33.1%から16.5%に有意に低下した. [考察]血小板製剤用フィルターは赤血球製剤用フィルターに比較して, 処理速度による白血球除去への影響が認められた. 白血球除去フィルター使用は, 頻回輸血患者の抗白血球抗体産生および輸血副作用の防止に有効と考えられた. |
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ISSN: | 0546-1448 |