ヒトパピローマウイルス16陽性子宮癌患者とHLA-DQB1アリルとの相関

「目的」子宮癌のリスクファクターとしてヒトパピローマウイルス(HPV)感染と特定のHLAクラスIIアリルの関連が西洋人において報告されている. 我々は日本人においてHPV16に感染した子宮癌患者とHLAクラスIIアリル頻度に相関関係があるかどうかを解析した. 「方法」PCR法によって決定したHPV16陽性の64人の子宮癌患者(内訳Squamous cell carcinoma46人[以下SCC], Adenocarcinoma7人, adenosquamous carcinoma3人とcarcinoma in situ8人)および138人の健常人のHLAクラスIIのDRB1とDQB1をDNAタ...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 2; p. 263
Main Authors 大久保光夫, 平田蘭子, 今井厚子, 前田平生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.2000
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Summary:「目的」子宮癌のリスクファクターとしてヒトパピローマウイルス(HPV)感染と特定のHLAクラスIIアリルの関連が西洋人において報告されている. 我々は日本人においてHPV16に感染した子宮癌患者とHLAクラスIIアリル頻度に相関関係があるかどうかを解析した. 「方法」PCR法によって決定したHPV16陽性の64人の子宮癌患者(内訳Squamous cell carcinoma46人[以下SCC], Adenocarcinoma7人, adenosquamous carcinoma3人とcarcinoma in situ8人)および138人の健常人のHLAクラスIIのDRB1とDQB1をDNAタイピングによりhigh resolution levelまで決定した. 「結果」SCC群ではDQB1^* 0302が健常人のアリル頻度と比較して, 統計学的な有意差をもって, 減少していた. (健常人22/138, SCC1/46, x^2=4.79, p=0.029). 一方, DQB1^* 0601は統計学的な有意差をもって, scc群で増加していた. (健常人50/138, SCC25/46, x^2 =4.69, p=0.030). 「考察」以上の結果からDQB1*0302はHPvによる子宮癌の進行を防ぐことに関連するアリルであり, DQBl*0602は進行に関連するアリルと考えられた. この研究は東京大学産婦人科松本, 吉川, 武谷先生との共同研究であり深謝いたします.
ISSN:0546-1448