当科における顎変形症症例の臨床統計的観察

顎変形症は先天異常, 顎顔面発育異常, および後天性の異常に大別される. そこで今回, 何らかの原因によって顎顔面に変形をきたし, 当科を受診するに至った患者に対して臨床統計的観察を行った. 対象患者は, 1977年4月から1997年12月までの期間に当科を受診した男性74例, 女性153例, 計227例であった. 臨床診断名の内訳は(1)先天性顎顔面変形は, 男性15例, 女性13例の合計28例であり, 口唇裂, 口唇顎裂が5例(17.9%), 口唇顎口蓋裂が4例(14.3%), 口蓋裂が12例(42.8%), 各種症候群は7例(25.0%)であった. (2)顎顔面発育異常は, 男性51例,...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 8; no. 2; p. 146
Main Authors 高橋晃治, 柴田考典, 安川和夫, 柴田肇, 吉澤信夫, 石黒慶一, 荻原聡, 小林廣之, 里見優, 菅原泰典, 中村晴哉, 林政俊, 松岸潔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 15.08.1998
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ISSN0916-7048

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Summary:顎変形症は先天異常, 顎顔面発育異常, および後天性の異常に大別される. そこで今回, 何らかの原因によって顎顔面に変形をきたし, 当科を受診するに至った患者に対して臨床統計的観察を行った. 対象患者は, 1977年4月から1997年12月までの期間に当科を受診した男性74例, 女性153例, 計227例であった. 臨床診断名の内訳は(1)先天性顎顔面変形は, 男性15例, 女性13例の合計28例であり, 口唇裂, 口唇顎裂が5例(17.9%), 口唇顎口蓋裂が4例(14.3%), 口蓋裂が12例(42.8%), 各種症候群は7例(25.0%)であった. (2)顎顔面発育異常は, 男性51例, 女性128例の合計179例で, 下顎前突症が101例(56.4%), 下顎前突症と下顎非対称の合併例が36例(20.1%), 下顎非対称が17例(9.5%), 上顎劣成長を伴う例が22例(12.3%)であり, その他3例(1.7%)であった. (3)後天性顎顔面変形は男性8例, 女性12例の合計20例で, そのうち腫瘍切除後が15例(75.0%), 陳旧性顎, 顔面骨骨折例が5例(25.0%)であった. 年次別の受診者数をみると, 1989年より受診者数が増加しており, 1989年以降の受診者数だけで全体の88.5%を占めていた. 地域別の受診患者数の割合をみると, 山形市の周辺が, 133例(58.6%)と最も多く, 県南部40例(17.5%), 県西部24例(10.6%), 県北部21例(9.3%), 県外9例(4.0%)であった. 質問 札幌医大, 口外 志村俊一 H8年の顎変形症患者に対する保険適用により当科では非対称症例の増加傾向を認めましたが, 貴科ではどのような傾向がありますか. 回答 山形大, 医, 歯口外 高橋晃治 診断名別の年次受診者数は, 今回の調査項目に入れていませんので回答はできません.
ISSN:0916-7048