アデニンの保存血液への効果

我国では保存. 血液の有効期限は5℃で21間とされている. 確かにヘモグロビンの機能維持に必要な2, 3-DPGなどはACD保存血では14日でもすでに大きく減少し, 21日では殆んど消費されてしまっている1). しかしCPD保存血では昨年本学会において報告したように2, 3-DPGlevelは高く保たれるので, アデニンを添加しATP levelをも維持できれば血液をより効果的に利用しうるのではないだろうか. Gabrio2), Prankerd3), Mollison4), 吉川5), Bartlett6)ら多くの人々によりプリンヌクレオシド添加による赤血球の寿命の延長が試みられてきた, す...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 24; no. 3/4; pp. 116 - 118
Main Authors 笹川滋, 三富斎忠, 野中登美子, 徳永栄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1978
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ISSN0546-1448

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Summary:我国では保存. 血液の有効期限は5℃で21間とされている. 確かにヘモグロビンの機能維持に必要な2, 3-DPGなどはACD保存血では14日でもすでに大きく減少し, 21日では殆んど消費されてしまっている1). しかしCPD保存血では昨年本学会において報告したように2, 3-DPGlevelは高く保たれるので, アデニンを添加しATP levelをも維持できれば血液をより効果的に利用しうるのではないだろうか. Gabrio2), Prankerd3), Mollison4), 吉川5), Bartlett6)ら多くの人々によりプリンヌクレオシド添加による赤血球の寿命の延長が試みられてきた, すでに一部の国では実用化され, 28日とか35日の有効日数を採用している. 貴重な血液の有効利用の見地から大いに望ましいことであり, アデニンの濃度(最終0.1および0.5mM)とその影響について, (1)赤血球膜浸透圧抵抗変化(Coil Planet Centrifue(CPC)法による), (2)血漿中のカリウム量変化(原子吸光々度計にて測定), (3)赤血球中のATPおよび2, 3-DPG量変化, (4)赤血球のもつ熱量変化(LKB社製マイクロフローカロリメーター使用)をACDおよびCPD保存液について検討した.
ISSN:0546-1448