K channel openerはdelayed afterdepolarizationを抑制するか? -ATPとverapamilに感受性を有する心室性不整脈に対するnicorandilの効果
〈目的〉発生機序がdelayed afterdepolarization(DAD)と推定される心室性不整脈に対するK channel openerのnicorandil(NIC)の効果を検討した. 〈対象〉基礎心疾患のない心室頻拍(VT)13例[持続性(sVT)6例, 非持続性(nsVT)7例]と左脚ブロック下方軸型心室性期外収縮(VPC)12例である.〈方法〉sVTに対するATP, NIC, verapamil(VER)の停止効果と予防効果を判定. nsVTとVPCに対しては, 連続心電図記録下に薬効を判定. 十分なVPCが出現しない場合は, isoproterenol負荷施行. ATP 0...
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Published in | 心電図 Vol. 17; no. 3; pp. 251 - 257 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心電学会
25.05.1997
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ISSN | 0285-1660 |
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Summary: | 〈目的〉発生機序がdelayed afterdepolarization(DAD)と推定される心室性不整脈に対するK channel openerのnicorandil(NIC)の効果を検討した. 〈対象〉基礎心疾患のない心室頻拍(VT)13例[持続性(sVT)6例, 非持続性(nsVT)7例]と左脚ブロック下方軸型心室性期外収縮(VPC)12例である.〈方法〉sVTに対するATP, NIC, verapamil(VER)の停止効果と予防効果を判定. nsVTとVPCに対しては, 連続心電図記録下に薬効を判定. 十分なVPCが出現しない場合は, isoproterenol負荷施行. ATP 0.2~0.3mg/kgの薬効を検討した後, NIC12~18mgの静注後30分間心電図で効果を判定. 次にVERを静注し薬効を評価. nsVT, VPC数を投与前値と比較し50%以上減少した場合を有効と判定した. 〈結果〉sVT:6例中3例にNICが有効で, この3例はATPで停止し, VERも有効であった. nsVT:7例は全てNICとATPが有効で, VERは評価できた6例中5例で頻拍は抑制されたが頻脈性心室調律(AIVR)の1例は無効であった. VPC:NICは12例中7例に有効であった. NIC有効例はATPも有効で, VERは薬効の評価できた5例中4例が有効であった. QT:投与後QT, QTcは有意に短縮した. 〈総括〉ATP感受性VTはDADが機序と推定されている. ATP感受性心室性不整脈がNICに感受性を有した機序としては, NICによる活動電位持続時間短縮にともなうCa++の細胞内流入抑制が考えられた. (心電図17:No.3, 251~257, 1997) |
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ISSN: | 0285-1660 |