京都府更生相談所における肢体不自由者に対する車椅子交付について
京都府立身体障害者更生相談所で1988~1990年の3年間に交付した補装具交付判定書3, 279件から, 車椅子に関する判定書を用いて検討した. 車椅子交付は1, 140台, 補装具全体の34.8%を占め, もっとも多かった. これを5型に分類し, 普通型810台(71.0%), 手押型264台(23.2%), 片手駆動型16台(1.4%), 手動チェーン型2台(0.2%), 電動車椅子48台(4.2%)となった. このうち, リクライニング式車椅子は普通型で10台, 手押型で39台交付されていた. 標準規格品とオーダーメイド品の割合は約4:1で, 標準規格品が多かった. 車椅子交付者の疾患は...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 29; no. 12; pp. 1163 - 1164 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
01.12.1992
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 京都府立身体障害者更生相談所で1988~1990年の3年間に交付した補装具交付判定書3, 279件から, 車椅子に関する判定書を用いて検討した. 車椅子交付は1, 140台, 補装具全体の34.8%を占め, もっとも多かった. これを5型に分類し, 普通型810台(71.0%), 手押型264台(23.2%), 片手駆動型16台(1.4%), 手動チェーン型2台(0.2%), 電動車椅子48台(4.2%)となった. このうち, リクライニング式車椅子は普通型で10台, 手押型で39台交付されていた. 標準規格品とオーダーメイド品の割合は約4:1で, 標準規格品が多かった. 車椅子交付者の疾患は脳血管障害が41.4%ともっとも多く, 次いで脊椎脊髄障害, 脳性麻痺, 慢性関節リウマチ等の順に多かった. 疾患別に車椅子の種類を検討すると, 脳血管障害472台中, 普通型78.2%, 手押型19.7%であり, 予想外に普通型が多かった. これは車椅子を独力で駆動できることを意味し, なお一層の機能訓練により交付台数を減少できることを示唆している. 車椅子の種類別にみると, 片手駆動型は脳血管障害と脳性麻痺で大部分を占めた. 電動車椅子は脳性麻痺にもっとも多かった. 特殊処方について脳血管障害に交付した普通型車椅子368台で検討した. 特殊処方は70.7%に行われ, うち「背もたれ折りたたみ」が80.0%にみられ, 標準規格品の内容に加えてもよいのではないかと思われた. <質疑応答> 高橋純(多摩療育園):調査に京都市は含まれますか. 京都府だけとすれば, その人口はどのくらいでしょうか. 南久雄(座長):脳卒中に対する普通型の交付であるが, 片手片足駆動の場合や屋外使用をされる方には座りごこちの面で介助型よりも普通型が交付されることが多い. 普通型を使用しているからといって訓練にて歩行できるとは断定できないのではないか. |
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ISSN: | 0034-351X |