川崎病における血清中プロカルシトニンの検討

【はじめに】近年Sepsisをはじめとする重症細菌感染症の重症度ならびに予後判定のマーカーとして血清中プロカルシトニン(以下PCT)の有用性が報告されている. 川崎病の原因については細菌感染との関連がいわれているが依然明らかにされていない. 今回川崎病患児におけるPCTの測定を行いその臨床的有用性を検討したので報告する. 【対象及び方法】川崎病患児25例, 対照としてJRA, SLE, MCTD, Takayasu diseaseなど自己免疫性疾患10例, ウイルス感染症患児10例, 細菌感染症17例, 正常コントロール18例に対しPCT測定を免疫化学発光法を用いて行った. 【結果】川崎病急性...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 51; no. 5; p. 360
Main Authors 岡田恭典, 友政剛, 加藤政彦, 井上佳也, 森川昭廣, 水上尚典, 小澤邦壽, 木村博一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.09.2001
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ISSN1343-2826

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Summary:【はじめに】近年Sepsisをはじめとする重症細菌感染症の重症度ならびに予後判定のマーカーとして血清中プロカルシトニン(以下PCT)の有用性が報告されている. 川崎病の原因については細菌感染との関連がいわれているが依然明らかにされていない. 今回川崎病患児におけるPCTの測定を行いその臨床的有用性を検討したので報告する. 【対象及び方法】川崎病患児25例, 対照としてJRA, SLE, MCTD, Takayasu diseaseなど自己免疫性疾患10例, ウイルス感染症患児10例, 細菌感染症17例, 正常コントロール18例に対しPCT測定を免疫化学発光法を用いて行った. 【結果】川崎病急性期におけるPCT値(2.3±2.98ng/mL)は細菌感染症患児のPCT値(2.21±2.93ng/mL)と同様であり自己免疫性疾患(0.35±0.36ng/mL)およびウイルス感染症患児(0.42±0.32ng/mL), 正常コントロール群(0.19±0.10ng/mL)に比べ有意に(p<0.005, <0.01, and<0.0001, respectively)高値を示した.
ISSN:1343-2826