当院における輸血検査の24時間体制

臨床検査部技師と共同で行った輸血検査の24時間体制の運用と問題点を報告する. 「方法」 臨床検査部で実施されている緊急検査(臨床化学, 血液, 免疫血清, 一般)に輸血検査(ABO・Rh-D血液型, 交差試験)を加え, 臨床検査部技師(35名)と輸血部技師(5名)の計40名による2名体制で1999年12月から開始した. 検査はAuto Vue System(オーソ社)を用い, 開始前に臨床検査部技師に伝票・検体・製剤の到着から検査, 払い出しまでの手順と, 検査のトレーニングを行った. 緊急輸血検査マニュアルを作成し, これで解決できない場合は輸血部技師がポケットベルで対応することとした. 時...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 2; p. 252
Main Authors 新井直美, 原田佐保, 岩上薫, 倉田由美子, 前田清子, 生田孝一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.2001
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ISSN0546-1448

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Summary:臨床検査部技師と共同で行った輸血検査の24時間体制の運用と問題点を報告する. 「方法」 臨床検査部で実施されている緊急検査(臨床化学, 血液, 免疫血清, 一般)に輸血検査(ABO・Rh-D血液型, 交差試験)を加え, 臨床検査部技師(35名)と輸血部技師(5名)の計40名による2名体制で1999年12月から開始した. 検査はAuto Vue System(オーソ社)を用い, 開始前に臨床検査部技師に伝票・検体・製剤の到着から検査, 払い出しまでの手順と, 検査のトレーニングを行った. 緊急輸血検査マニュアルを作成し, これで解決できない場合は輸血部技師がポケットベルで対応することとした. 時間外に依頼された検体は, 翌日輸血部で精査をした. 時間外の輸血検査は緊急手術・急変時の対応であることを原則とし, 依頼時に依頼目的を尋ねることにした. 「結果」 1999年12月から2000年11月までの時間外検体数は, 血液型140件(月平均11.7件), 交差試験306件(同25.5件), C/T比1.3~2.7であった. 診療科別依頼件数は, 血液型は内科(循環器), 外科(一般), 産婦人科, 内科(消化器)で, 交差試験は外科(一般), 外科(循環器), 内科(循環器)で全依頼の5割を占めた. ポケットベルで対応した内容は, 機器のトラブル, 検査(手順・結果), 全体の運用に関することなどであった. 「まとめ」 輸血検査の24時間体制を開始して一年が経過した. この間の問題点を整理し, より安全な時間外輸血検査体制の充実に努めて行きたい.
ISSN:0546-1448