脊髄損傷者の体力について

「目的」下位胸髄・腰髄損傷者(胸腰損)の体力のうち, Cardio Respiratory Fitness(CR fitness)を測定し, 結果および改善の方法につき検討した. 「対象」胸腰損群として, 当院にリハ目的に入院となった男性6名を対象とし, 健常男性8名を対照とした. 「方法」上肢エルゴメーターを使用した. 漸増する負荷をかけ(15~20ワット), 5秒ごとに心拍, 酸素摂取量を測定した. 「結果」心拍数と酸素摂取量(HR-V0_2 )の間には, 正の一次相関が示された, また, HR-VO_2 回帰式の傾きは, 健常者と胸腰損群の間で有意差を認め, 胸腰損群において, 健常群と...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 35; no. 3; p. 190
Main Authors 岡田真明, 飛松好子, 佐久間肇, 草野修輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.03.1998
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」下位胸髄・腰髄損傷者(胸腰損)の体力のうち, Cardio Respiratory Fitness(CR fitness)を測定し, 結果および改善の方法につき検討した. 「対象」胸腰損群として, 当院にリハ目的に入院となった男性6名を対象とし, 健常男性8名を対照とした. 「方法」上肢エルゴメーターを使用した. 漸増する負荷をかけ(15~20ワット), 5秒ごとに心拍, 酸素摂取量を測定した. 「結果」心拍数と酸素摂取量(HR-V0_2 )の間には, 正の一次相関が示された, また, HR-VO_2 回帰式の傾きは, 健常者と胸腰損群の間で有意差を認め, 胸腰損群において, 健常群と同等の群と, 明らかに傾き・切片が低い群に分かれた. 「結論」上肢エルゴメーターによる負荷試験の結果, 胸腰損群内でCR fitnessが下がっている人では, 上肢の持久性筋力も低下しており, いずれも廃用性因子が原因と考えられた. 訓練としてはまず上肢筋力の強化を図り, (可能な限り筋力を落とさないようにし)次いでCR fitness upを図るべきである.
ISSN:0034-351X