2次元電気泳動法によるベーチェット病患者血清蛋白の分析

(目的)ベーチェット病は皮膚, 粘膜, 外陰部, 眼を中心とする全身諸臓器に起こる慢性炎症性疾患である. その原因については, ウイルス, 感染, アレルギー, 自己免疫, 環境因子, 遺伝因子など様々な説が提唱されてきたが, いずれも病因として証明されたものはない. しかしその病態に免度システムの異常が関与している可能性についてはすでに多数の報告から明らかにされている. 我々はミクロポリアクリルアミドゲル二次元電気泳動法により, ベーチェット病患者血清蛋白, 特に免疫グロブリンを等電点と分子量との二面から分析を行った. 今回は1枚のゲルよりIgG, IgA, IgH, のみならず, 従来の方...

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Published in生物物理化学 Vol. 37; no. 2; p. 103
Main Authors 島倉和朗, 佐仲雅樹, 峰下哲, 芝紀代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 01.04.1993
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ISSN0031-9082

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Summary:(目的)ベーチェット病は皮膚, 粘膜, 外陰部, 眼を中心とする全身諸臓器に起こる慢性炎症性疾患である. その原因については, ウイルス, 感染, アレルギー, 自己免疫, 環境因子, 遺伝因子など様々な説が提唱されてきたが, いずれも病因として証明されたものはない. しかしその病態に免度システムの異常が関与している可能性についてはすでに多数の報告から明らかにされている. 我々はミクロポリアクリルアミドゲル二次元電気泳動法により, ベーチェット病患者血清蛋白, 特に免疫グロブリンを等電点と分子量との二面から分析を行った. 今回は1枚のゲルよりIgG, IgA, IgH, のみならず, 従来の方法では観察が困難であったIgD, Ig9E, の観察も可能な方法に改良したところ若干の知見が得られたので報告する. (材料及び方法)試料は帝京大学医学部附属病院第二内科外来通院中のベーチェット病患者13例(年齢50.2±10.6歳)心内訳は, 厚生省ベーチェット病研究班の診断基準(1987年改訂)による完全型5例(男性1例, 女性4例), 不全型8例(男性5例, 女性3例).
ISSN:0031-9082