膝関節鏡視下手術後の筋力回復について

「目的」膝半月板損傷, 棚傷害などの膝関節内損傷において, 近年, 手術侵襲が少ない関節鏡視下手術が盛んに行われている. 今回, 我々は関節鏡視下手術後のスポーツ復帰時期, リハビリテーション効果を検討するため筋力回復について調査したので報告する. 「対象」1992年~1998年1月に当院において膝関節鏡視下手術を施行した682例中, 片側のみにおいて半月板切除, 棚切除を施行し, 術前後において筋力評価を行った40歳以下の症例93例で, 男性46例, 女性47例, 平均年齢は23.2歳(9~40歳)であった. 術後翌日より大腿四頭筋の等尺性運動訓練を指導した. 筋力評価はcybex6000を...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 35; no. 12; pp. 960 - 961
Main Authors 坂本相哲, 小谷博信, 武富雅則, 上尾豊二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1998
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」膝半月板損傷, 棚傷害などの膝関節内損傷において, 近年, 手術侵襲が少ない関節鏡視下手術が盛んに行われている. 今回, 我々は関節鏡視下手術後のスポーツ復帰時期, リハビリテーション効果を検討するため筋力回復について調査したので報告する. 「対象」1992年~1998年1月に当院において膝関節鏡視下手術を施行した682例中, 片側のみにおいて半月板切除, 棚切除を施行し, 術前後において筋力評価を行った40歳以下の症例93例で, 男性46例, 女性47例, 平均年齢は23.2歳(9~40歳)であった. 術後翌日より大腿四頭筋の等尺性運動訓練を指導した. 筋力評価はcybex6000を用い, 角速度60°, 180/secにおけるピークトルクを計測し筋力とし, 術前の健側の筋力を1とした患側の割合(%)を術後, 経時的に求めた. 「結果」大腿四頭筋の筋力は術前平均71%が2週では60%に低下するも, 4週では72%にまで急速に回復し, 以後8週では88%, 16週では91%と徐々に回復していた. ハムストリングスの筋力は術前平均86%が, 2週ですでに95%と急速に回復し, 以後徐々に回復していた. また, 術式別で半月板部分切除例, 棚切除例においても, 同様な結果が得られた. 「結論」関節鏡視下半月板部分切除, 棚切除において術後6~8週でスポーツ復帰が可能な筋力が得られた.
ISSN:0034-351X