薬剤疫学に関する調査研究報告 -薬剤師による薬剤疫学的研究について

「はじめに」 当委員会は1993年10月に設置され, 医薬品の適正使用を推進させるため「薬剤疫学」という新しい学問を, 一体どのようにしたら我々薬剤師業務に導入できるのかについて検討を進めてきた. 「医薬品の適正使用」は, 1993年6月に厚生省の諮問機関である『21世紀の医薬品のあり方に関する懇談会』が最終報告で取り上げたのち, 「医療の質」というキーワードとともに広く社会の関心を引きつつある. 同最終報告における「医薬品'の適正使用」定義の中で我々薬剤師業務に関連する内容としては, 「正しい調剤, 患者および医療従事者に対する適切な医薬品情報の提供, 副作用のモニター, 医薬品の...

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Published in病院薬学 Vol. 21; no. 2; pp. 184 - 191
Main Authors 小宅 正, 太田 伸, 北澤式文, 黒山政一, 相良悦郎, 下堂薗権洋, 政田幹夫, 橋本ひろ美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本病院薬学会 01.04.1995
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Summary:「はじめに」 当委員会は1993年10月に設置され, 医薬品の適正使用を推進させるため「薬剤疫学」という新しい学問を, 一体どのようにしたら我々薬剤師業務に導入できるのかについて検討を進めてきた. 「医薬品の適正使用」は, 1993年6月に厚生省の諮問機関である『21世紀の医薬品のあり方に関する懇談会』が最終報告で取り上げたのち, 「医療の質」というキーワードとともに広く社会の関心を引きつつある. 同最終報告における「医薬品'の適正使用」定義の中で我々薬剤師業務に関連する内容としては, 「正しい調剤, 患者および医療従事者に対する適切な医薬品情報の提供, 副作用のモニター, 医薬品の評価を通じ, , 医薬品の適正使用に寄与する」といった業務が示唆されている. なかでも副作用のモニターおよび医薬品の評価は, 薬剤師が臨床業務を進める上で欠くべからざる業務といえる. それは, まず患者個々に対する副作用モニターや医薬品使用の評価が行われ, 次いでそれらのデータが蓄積され, さらにその蓄積された情報により副作用の検証や医薬品の評価を行う一連の業務と考える.
ISSN:0389-9098