当院におけるMSBOS,T&Sの設定について

当院では, 平成9年11月, 輸血療法委員会が設置され輸血業務の一元化・効率化, 輸血療法の質的向上, 輸血製剤の有効な運用などに取り組んできた. その一環として, 当院の実情に見合ったMSBOS,T&Sの設定を試みた. 基礎データとして, 平成10年5月より電子麻酔台帳へ出血量, 輸血量の入力を開始し, 平成10年12月までの1,645例(小児症例, 救急部症例を除く)を対象に, 術式別の平均出血量, 平均輸血量, 輸血率を算出した. MSBOS,T&Sの振り分けについては, 術式ごとの「計算値」(平均出血量×1.5/200)より, 「計算値」≧2, または, 輸血率≧30%...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 6; p. 947
Main Authors 真尾秀幸, 河東寛, 大橋伸生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1999
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Summary:当院では, 平成9年11月, 輸血療法委員会が設置され輸血業務の一元化・効率化, 輸血療法の質的向上, 輸血製剤の有効な運用などに取り組んできた. その一環として, 当院の実情に見合ったMSBOS,T&Sの設定を試みた. 基礎データとして, 平成10年5月より電子麻酔台帳へ出血量, 輸血量の入力を開始し, 平成10年12月までの1,645例(小児症例, 救急部症例を除く)を対象に, 術式別の平均出血量, 平均輸血量, 輸血率を算出した. MSBOS,T&Sの振り分けについては, 術式ごとの「計算値」(平均出血量×1.5/200)より, 「計算値」≧2, または, 輸血率≧30%となるものについては, その「計算値」の端数を切り上げした数値をMSBOSとし, それ以外の術式についてはT&Sとした. この粗案を外科系各科に戻し, 各科の実情に合わせ修正を行い, 平成11年6月最終案がまとまった. 当院では, 平成10年8月の輸血業務一元化以降, C/T比の改善がみられたが, MSBOS,T&Sの本格的導入により, いっそうの改善が期待される. 今後定期的に, 蓄積されたデータをもとに値の手直しを行ってゆく予定である.
ISSN:0546-1448