胸腔鏡下横隔膜部分切除にて病理学的に異所性子宮内膜を確認し得た月経随伴性気胸の1例

症例は37歳, 女性. 1999年7月3日, 突然の呼吸困難を主訴に当院受診. 右気胸の診断で胸腔ドレナージにて軽快したが, 8月4日再発したため手術目的に入院. 2回の発症は生理期間に一致していた. 手術は胸腔鏡下に2ポート法で行った. 肺瘻部位は認めなかったが, 右肺上葉に出血を疑う暗赤色変化が索状にみられ, 横隔膜には径5mmの小孔を数個認めた. 右肺上葉部分切除, 横隔膜部分切除術を施行. 病理組織学的に切除肺に子宮内膜は証明されなかったが, 横隔膜には子宮内膜腺組織を認めた. 術後に測定したCA125が133U/mlと高値であったため, 現在ホルモン療法施行中で, 再発は見られていな...

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Published in気管支学 Vol. 22; no. 2; p. 142
Main Authors 玉川慎二, 沖田将人, 坂本和裕, 森本泰介, 山里将也, 榊原桂太郎, 森川哲行, 武内浩一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.03.2000
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は37歳, 女性. 1999年7月3日, 突然の呼吸困難を主訴に当院受診. 右気胸の診断で胸腔ドレナージにて軽快したが, 8月4日再発したため手術目的に入院. 2回の発症は生理期間に一致していた. 手術は胸腔鏡下に2ポート法で行った. 肺瘻部位は認めなかったが, 右肺上葉に出血を疑う暗赤色変化が索状にみられ, 横隔膜には径5mmの小孔を数個認めた. 右肺上葉部分切除, 横隔膜部分切除術を施行. 病理組織学的に切除肺に子宮内膜は証明されなかったが, 横隔膜には子宮内膜腺組織を認めた. 術後に測定したCA125が133U/mlと高値であったため, 現在ホルモン療法施行中で, 再発は見られていない.
ISSN:0287-2137