上部消化管異物に対するYAGレーザーの応用

われわれはPTP包装薬剤の誤嚥例に対してYAGレーザー照射を行い内視鏡的に摘出できた2例を経験した. 症例1は67歳女性でPTP包装薬剤が約1年間胃内にとどまっていた例で, 出力40W, 1秒, 5回のレーザー照射でPTPは縮小し容易に摘出できた. 第2例は66歳男性でPTP包装薬剤が食道第一狭窄部位に刺入して胸骨下痛を訴えて受診した. PTPが刺入している部位を目標にレーザー照射して, うまく粘膜から遊離摘出できた. また, 胃石は稀な疾患であるが5例を経験しており, 出力50~60W, 1~2秒の頻回照射を行い, 一瞬, 胃石に火がつく状態となったが, 患者の苦痛もなく無事に排出させること...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 15; no. 1; pp. 68 - 69
Main Authors 原田一道, 渡辺泰男, 西村克人, 原田一民, 長嶋知明, 並木正義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 01.03.1994
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ISSN0288-6200

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Summary:われわれはPTP包装薬剤の誤嚥例に対してYAGレーザー照射を行い内視鏡的に摘出できた2例を経験した. 症例1は67歳女性でPTP包装薬剤が約1年間胃内にとどまっていた例で, 出力40W, 1秒, 5回のレーザー照射でPTPは縮小し容易に摘出できた. 第2例は66歳男性でPTP包装薬剤が食道第一狭窄部位に刺入して胸骨下痛を訴えて受診した. PTPが刺入している部位を目標にレーザー照射して, うまく粘膜から遊離摘出できた. また, 胃石は稀な疾患であるが5例を経験しており, 出力50~60W, 1~2秒の頻回照射を行い, 一瞬, 胃石に火がつく状態となったが, 患者の苦痛もなく無事に排出させることに成功した. 具体的症例を示しながら報告した.
ISSN:0288-6200